五輪選考をめぐる仲裁判断を受け、野中生萌(写真)、原田海、伊藤ふたば、藤井快がコメントを発表した

五輪選考の仲裁判断を受け4選手がコメント 原田海「ほっとしている」野中生萌「感動と勇気を届けられるように頑張りたい」

 東京五輪におけるスポーツクライミングの代表選考基準の解釈をめぐる問題で、CAS(スポーツ仲裁裁判所)はJMSCA(日本山岳・スポーツクライミング協会)の訴えを棄却。原田海、野中生萌が男女各2人目の日本代表に内定した。これを受けて、原田、野中、東京五輪出場の可能性が断たれた伊藤ふたば、藤井快がJMSCAを通じコメントを発表した。

野中生萌(XFLAG)
まずは、昨年から不安定であったオリンピック選考基準において、正式に判断が出て、正式にオリンピック内定することが出来たこと素直に嬉しく思います。
コロナ禍もあり、この状況の中でモチベーションを高く保つことは決して簡単ではありませんでしたが、東京オリンピックで史上初の金メダルを獲得するという目標はスポーツクライミングがオリンピック新種目に決まった時からずっと変わらず、その大きなそして運命的な目標があったからこそ、日々やれることに全力で取り組んでくることができました。
来年東京オリンピックが開催されることを信じていますし、そこで日本の皆様に感動と勇気を届けられるように頑張ります!

原田海(日新火災)
今回の結果を聞いて、これまでどうなるかわからない状態が続いて不安も抱えていたので、まずは結論が出てくれてほっとしています。とはいえ、心から喜べる内容ではないので、気持ちを整理したうえでこの結果を受け入れたいと思っています。
判断に関してはあまり気にはしないように過ごしてましたが、至る所から「内定でしょ?」って言われて心が揺れ動いたし、判断が先延ばしになった時には「またかよ」ってなって落胆してしまった時もありました。この件に関しての情報のすべてを共有されていたわけではなかったので、それも不安のひとつでした。
この問題に加えて、新型コロナウイルスの影響で、練習も思うようにできなくなり、さらには国内選考も年内にやることが急遽決定し、どういう風に競技に取り組めば良いかわからなくなりました。色々なことが長期間にわたって重なり、現状も含めて精神的に苦しい日を過ごしていました。
当事者として思う事は、今後同じような状況には誰もなってほしくないということ。双方の言い分があるから裁判まで発展しているんだと思うし、批難しても何も解決しない。前に進むためには、協会全体で対策を考えていく事が必要だと思うし、僕自身もアスリート委員会を活かして協力していきたい。
2020東京五輪での目標に関しては、今の時点でははっきり言えません。
ただ、この一件でチャンスを失った仲間たちもいるので、その想いも真摯に受け止めて大会に臨むことが出来るよう、気持ちを整理していきたいと思います。
これからもスポーツクライミングの応援をよろしくお願いいたします。

伊藤ふたば(TEAM au)
まず、私が東京オリンピックに出場するために応援してくださった全ての皆さん、ありがとうございました。皆様の支えがなかったら、私はここまで頑張って来られなかったと思うので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
裁判の結果は、望んでいたものにはなりませんでした。まだ感情が整理しきれていないというのが本心です。
これから、前を向き、より一層強くなれるように頑張っていきます。

藤井快(TEAM au)
判断結果は残念ですが、結果は現実として受け入れたいと思います。
先ずはここまで応援して下さった全ての皆さまに感謝申し上げます。
今できること、目の前にあることを、真摯に全力で取り組み、結果にこだわり、2024年パリオリンピックに向けてしっかり準備します。
来年からはプロクライマーになるので、より一層気を引き締めていきます。

CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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