IFSCは出場規定を変更し、杉本怜、土肥圭太が五輪予選に臨めることとなった

国際スポーツクライミング連盟が五輪予選の出場選手リストを発表。直前の出場規定変更で新たな混乱も

 国際スポーツクライミング連盟(IFSC)は13日、今月下旬から始まる五輪予選大会(11月28日~12月1日/フランス・トゥールーズ)の出場選手リストを公式サイト上で公開。各国2名までとなっていた出場規定を変更し、当初は出場できない見込みだった日本の杉本怜、土肥圭太がリストに名を連ねた。

 五輪予選大会には、8月の世界選手権で五輪出場枠を獲得した選手をのぞく、今シーズンのW杯複合上位20名が出場できる。だが、1つの国から出場できるのは男女各2名までで、日本からは藤井快、楢崎明智、森秋彩、伊藤ふたばの計4名が派遣される予定だった。

 しかしIFSCは詳細を明かしていないものの、最近になって国ごとの出場制限を撤廃する文言を加えた文書を公式サイトに掲載。これにより、複合ランキングで20位以内につけながら藤井、楢崎が上位にいたことで出場を阻まれていた杉本、土肥もエントリー可能となり、女子でも同じようにフランスとアメリカで1名ずつが新たに出場権を手にすることとなった。

 この結果、本来出場を予定していたイェルネイ・クルーダー(スロベニア)らランキング19、20位にいた男女4選手は直前になってリストからはじき出されてしまった。しかしIFSCは21、22人目が出場できる余地を残している。公開されたリストには、「IOC確認対象(原文:Subject to IOC confirmation)」の記載で、その4選手の名が記されているのだ。だが彼らの心中は穏やかでないはずで、IFSCには早々の対応、決定が求められる。

 今大会は東京五輪同様のコンバインド種目で行われ、男女上位6名が五輪出場枠を獲得できる。すでに男女2名ずつが枠を手にしている日本は、ここでさらに枠を獲得できるはずだが、IFSCが1つの国につき枠は2つまでしか取れないとする“新解釈”を示したとして日本山岳・スポーツクライミング協会はスポーツ仲裁裁判所に提訴している。この件に対するIFSCからの声明も、いまだ出されていない。

五輪予選大会 出場予定選手

<男子>
1:アダム・オンドラ(CZE)
2:藤井 快
3:パン・ユーフェイ(CHN)
4:ヤン・ホイヤー(GER)
5:ウィリアム・ボシ(GBR)
6:サッシャ・レーマン(SUI)
7:楢崎 明智
8:マニュエル・コルニュ(FRA)
9:杉本 怜
10:ニコライ・イアリロヴィッツ(RUS)
11:チョン・ジョンウォン(KOR)
12:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)
13:土肥 圭太
14:バッサ・マウェム(FRA)
15:ヤニック・フローエ(GER)
16:アルフィアン・ムハンマド(INA)
17:ステファノ・ギソルフィ(ITA)
18:アンゼ・ペハルク(SLO)
19:ナサニエル・コールマン(USA)
20:ショーン・ベイリー(USA)
―――――
21:イェルネイ・クルーダー(SLO)
22:アレクセイ・ルブツォフ(RUS)

<女子>
1:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)
2:ツァン・ユートン(CHN)
3:ファニー・ジベール(FRA)
4:キム・ジャイン(KOR)
5:ジュリア・シャヌルディ(FRA)
6:森 秋彩
7:ミア・クランプル(SLO)
8:伊藤 ふたば
9:キーラ・コンディー(USA)
10:アヌーク・ジョベール(FRA)
11:ソン・イーリン(CHN)
12:サ・ソル(KOR)
13:アシマ・シライシ(USA)
14:エリーズ・スーザンティ・ラハユ(INA)
15:イェウヘニア・カズベコワ(UKR)
16:ラウラ・ロゴラ(ITA)
17:アランナ・イップ(CAN)
18:エラン・レカビ(IRI)
19:アレクサンドラ・カルッカ(POL)
20:マーゴ・ヘイズ(USA)
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21:サンドラ・レトナー(AUS)
22:ユリア・カプリナ(RUS)

CREDITS

編集部 / 写真 窪田亮

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