リードW杯印西大会終了後に行われた複合の年間表彰式に登壇した楢崎智亜。

楢崎智亜が1位でフィニッシュ/W杯2019シーズン複合ランキング

 26・27日に千葉県印西市で開かれたリードW杯第6戦をもって今シーズンにおけるスポーツクライミング3種目すべてのW杯が終了し、各種目の総合成績で争うコンバインド(複合)ランキングで楢崎智亜が2年ぶりに1位を獲得した。

 シーズンによってポイント算出条件が異なる複合ランキング。今シーズンはボルダリング、リード、スピードのW杯に各2戦以上出場することが条件となった。そして条件を満たした選手間での順位を各戦ごとに算出し、選手は各種目上位2大会、合計6大会の順位を掛け算したポイントを持ち点として得る。たとえボルダリングとリードのW杯に2戦出場していても、スピードW杯への出場が1戦のみの場合はランキング対象選手にはならない。

 楢崎は年間王者に輝いたボルダリングで1位、1位、リードで2位、6位、スピードで12位、12位を記録し合計1,728ポイント。2,072ポイントで2位のアダム・オンドラ(チェコ)、27,772ポイントで3位のヤコブ・シューベルト(オーストリア)らを抑えての総合1位となった。4位には原田海、5位には藤井快が続いた。

 女子ではボルダリング、リードの4大会分すべてで1位となったヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)がトップに君臨。2位には野口啓代、4位には野中生萌が入っている。

<クライミングW杯2019 複合年間ランキング>

[男子]
1位:楢崎 智亜/1,728pt
2位:アダム・オンドラ(CZE)/2,072pt
3位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/27,720pt
4位:原田 海/34,020pt
5位:藤井 快/84,700pt

[女子]
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/255pt
2位:野口 啓代/4,104pt
3位:ジェシカ・ピルツ(AUT)/14,400pt
4位:野中 生萌/78,400pt
5位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)/168,000pt

※ランキング一覧は国際スポーツクライミング連盟/公式サイトから

年間表彰式でヤンヤ・ガンブレットと笑顔を見せる野口啓代。

 このランキングは11月28日から開催されるオリンピック予選大会(フランス・トゥールーズ)の出場条件にもなっている。同大会には8月の世界選手権コンバインド種目で上位7名に入り東京オリンピックの出場枠を得た選手を除き、ランキング上位20名(ただし各国2名まで)がエントリーできる。日本勢では、男子は藤井と楢崎明智、女子は森秋彩と伊藤ふたばが上位に入り、東京オリンピック出場を懸けた次なる戦いへ出場できる見込みとなった。

 リードW杯第6戦を終えた印西市松山下公園総合体育館ではコンバインドの年間表彰も行われ、大会を欠場していた楢崎が登壇。その後メディアの取材に応じた。以下、楢崎のコメント。

【楢崎智亜コメント】
「今年は色々なタイトルを取ることができたが、最後に可能性が残っていたコンバインド年間優勝も手に入れることができて嬉しい。(今年のパフォーマンスが良かった要因は)トレーニングの方法や、気持ちの持ち方だったり、色々と変えてきた。クライミング以外のトレーニングの量を減らして、クライミングをメインにしたことでコンディションのブレがなくなってきた。(3種目の中で一番伸びたのは)ボルダリングが一番伸びたと思う。特に競技中のメンタル面が伸びたと思っている。大会の課題にそこまでハードなものは出ないので、時間内にどれだけ自分をコントロールして登りきれるか。そのコントロールがうまくいったので、年間を通してリザルトが安定したと思う」

CREDITS

取材・文 編集部、篠幸彦 / 写真 窪田亮

back to top