幻となった女子決勝を登る野口啓代。

野口啓代、西田秀聖が4位/リードW杯2018第6戦 呉江大会

 10月20・21日、中国・呉江にてリードW杯第6戦が開催された。降雨による悪天候で決勝が女子終了後にキャンセル扱いとなった大会は、準決勝の結果が最終リザルトに適用され、女子はヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)とキム・ジャイン(韓国)が同率で1位を分け合い、男子はロメイン・デグランジュ(フランス)が今季初優勝を飾ることとなった。日本人最高は野口啓代、西田秀聖の4位だった。

 21日夜、先に組まれていた女子決勝は予定通りにスタートした。5番手の野口は終了点タッチとなる42+を記録して暫定首位に浮上。その後ジェシカ・ピルツ(オーストリア)が完登して2位に後退するも、キム、ガンブレットは野口に及ばず、リードW杯自身最高に並ぶ銀メダル獲得かと思われた。しかし、次第に降り始めた雨が競技順によりコンディションの差を生じさせたこともあって決勝はキャンセルに。野口は幻の銀メダルに終わった。

 時は戻り、勝負を決するラウンドとなった女子準決勝は、22+に13名が並び稀に見る団子状態となった。平野、伊藤、小武、栗田、尾上も中盤に設けられたこの難所につかまってしまう。ここを抜け出し、終盤の36+を記録したガンブレットとキムが同率で1位を記録。世界選手権女王のピルツが36で3位に続き、野口は惜しくも35+で4位だった。この結果、最終戦を残してガンブレットの3年連続リードW杯年間女王が決定した。

 男子準決勝は、日本の16歳・西田秀聖が大健闘。終盤に差し掛かる31+を記録して、予選23位から4位へと一気にジャンプアップ。19歳の本間大晴も、本来であれば決勝を戦うことのできる8位に入った。優勝は36歳のベテラン、デグランジュ。昨季年間王者は今ラウンド最長の35+まで達して、今季初優勝を手にした。また、2位に入ったヤコブ・シューベルト(オーストリア)は2014年以来3度目となる年間王者を確定させた。

 同時開催されていたスピードW杯では、インドネシアが男女アベック優勝。男子は終始安定していたアスパル・ジャエロロが悲願のW杯初制覇を果たし、女子は7秒74の好タイムを決勝でマークしたエリーズ・スーザンティ・ラハユが今季2勝目を手にした。また、女子スピードでも年間優勝も決定し、フランスのアヌーク・ジョベールが2年連続で女王の座に就くこととなった。日本の最高は、男子が唯一出場した緒方良行の30位(8秒400)、女子が伊藤ふたばの23位(11秒030)だった。

 次回W杯は、今週末の27・28日に開催予定。同じ中国の廈門で行われる大会が、今シーズンのW杯最終戦となる。雨による無念の結果となった選手たちをはじめ、最後まで躍動する日本勢に期待したい。

 

<リード女子>

1位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/36+
1位:キム・ジャイン(30/韓国)/36+
3位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/36
4位:野口 啓代(29)/35+
5位:カタリーナ・ポッシュ(24/オーストア)/31
6位:ティヤサ・カラン(22/スロベニア)/22+ ※予選5位
6位:ミア・クランプル(18/スロベニア)/22+ ※予選5位
8位:マノン・イリ(24/フランス)/22+ ※予選7位
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10位:平野 夏海(16)※準決勝進出
12位:伊藤 ふたば(16)※準決勝進出
13位:小武 芽生(21)※準決勝進出
14位:栗田 湖有(16)※準決勝進出
15位:尾上 彩(23)※準決勝進出
28位:廣重 幸紀(22)

<リード男子>

1位:ロメイン・デグランジュ(36/フランス)/35+
2位:ヤコブ・シューベルト(27/オーストリア)/32+
3位:ミン・ヒョンビン(29/韓国)/32
4位:西田 秀聖(16)/31+
5位:ステファノ・ギソルフィ(25/イタリア)/28+ ※予選3位
6位:フランチェスコ・ヴェトラータ(26/イタリア)/28+ ※予選19位
7位:フェディル・サモイロフ(21/ウクライナ)/28
8位:本間 大晴(19)/26+
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10位:樋口 純裕(26)※準決勝進出
11位:清水 裕登(22)※準決勝進出
14位:中野 稔(35)※準決勝進出
15位:中上 太斗(19)※準決勝進出
20位:波田 悠貴(21)※準決勝進出
24位:緒方 良行(20)※準決勝進出

※左から氏名、年齢、所属国、準決勝成績

<スピード女子>

1位:エリーズ・スーザンティ・ラハユ(23/インドネシア)/7秒740
2位:アヌーク・ジョベール(24/フランス)/8秒010
3位:ユリア・カプリナ(25/ロシア)/7秒650
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23位:伊藤 ふたば(16)/11秒030
26位:野口 啓代(29)/11秒730
29位:栗田 湖有(16)/14秒540

<スピード男子>

1位:アスパル・ジャエロロ(26/インドネシア)/5秒810
2位:ルドヴィコ・フォッサリ(21/イタリア)/5秒940
3位:レザー・アリプアシェナ(24/イラン)/5秒960
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30位:緒方 良行(20)/8秒400

※左から氏名、年齢、所属国、成績
※1・2位選手の成績は決勝タイム、3位選手の成績は3位決定戦タイム
※日本人選手の成績は今大会の最高記録

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

編集部 / 写真 窪田美和子/アフロ

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