楢崎明智が優勝! 原田海も3位に/IFSC世界ユース選手権2018【ボルダリング/ジュニア】

 11日、ロシア・モスクワで開催中のIFSC世界ユース選手権2018でボルダリング・ジュニアカテゴリー(1999、2000年生まれ)決勝が行われ、男子で楢崎明智が優勝、原田海が3位に入り、2人の日本人選手が表彰台に上がった。

 男子で本カテゴリーに出場した楢崎、原田、今泉結太、田中修太の4名が順当に進出していた10日の準決勝では、原田、楢崎、今泉の3名が上位を独占。世界ユースの舞台でもボルダリングに強い日本勢が躍動する。迎えた決勝では、しゃがみ込みからのランジスタートとなった第1課題を他国の3選手がゾーン獲得0に終わったなかで、4番手の今泉、5番手の楢崎がゾーンを捉えると、最終6番手の原田が5トライ目でTOPを掴み唯一の完登スタートに成功する。

 バランシーな出だしとなった第2課題でも、ゾーン獲得まで苦戦する選手が続出。しかし、同じくスタートからのムーブが中々決まらなかった楢崎が10トライ目でそのムーブをピタりと止めると、見事にTOPまで登り切りこの課題2人目の完登者に。その後全員が完登した第3課題を終え、2完登3ゾーンの原田がトップに立ち、完登に要したアテンプト数の差で楢崎が続く形となった。

 強傾斜壁に設けられた最終第4課題では、ヤニック・フローエ(ドイツ)が暫定首位に立って日本勢にプレッシャーをかけるも、楢崎がこれを一撃。フローエを抜いて原田の結果を待つことになった。続く原田は1トライ目でゾーンを掴み、TOPに左手をかけるも滑り落ちてしまう。その後何度もTOPまで迫るが、最後まで優勝の一手を決めることができず。その悔しさからか、1分以上マットに倒れ込む原田だった。この結果、優勝は楢崎の手に。昨年複合は制していたものの、単種目での世界ユース優勝はこれがはじめてとなった。世界ユース初出場で決勝に進出した今泉は5位に終わっている。

 一方、日本から高田こころ、中村真緒、森脇ほの佳が出場したジュニア女子では、中村が予選、準決勝を通過。決勝でも3連続完登をしてみせるも、スタートからのバランシーな横移動に苦戦した第4課題を最後まで攻略できず、表彰台まであとわずかの4位に終わった。

 なお、9日にはスピード・ユースA(2001、2002年生まれ)決勝が、10日には同・ユースB(2003、2004年生まれ)決勝が行われたが、いずれも日本勢の表彰台はならなかった。日本時間のこのあと22時30分からは、男子で小西桂、女子で伊藤ふたばと菊地咲希の2名が進出したボルダリング・ユースA決勝が行われる。特に伊藤と菊地は準決勝で他を寄せ付けない全4完登を決めるなど好調で、メダル獲得に期待がかかる。

 

<ボルダリング・ジュニア決勝>

【男子】
1位:楢崎 明智(19)/3t4z 15 17
2位:ヤニック・フローエ(18/ドイツ)/3t3z 13 10
3位:原田 海(19)/2t4z 6 11
4位:マテオ・マンゾーニ(17/イタリア)/2t3z 4 10
5位:今泉 結太(17)/1t3z 1 7
6位:ルーカス・フランクエールト(18/ベルギー)/1t2z 2 4
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13位:田中 修太(18)※準決勝進出

【女子】
1位:ハンナ・スラニー(18/イギリス)/3t4z 5 9
2位:ウルスカ・レプイシク(18/スロベニア)/3t4z 8 9
3位:ヴィータ・ルーカン(17/スロベニア)/3t3z 6 4
4位:中村 真緒(18)/3t3z 9 7
5位:エレーナ・クラソフスカヤ(18/ロシア)/2t3z 3 5
6位:シャーロット・アンドレ(19/フランス)/1t3z 3 10
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26位:森脇 ほの佳(18)
34位:高田 こころ(19)

※左から氏名、年齢、所属国、決勝成績
※決勝成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

<スピード・ユースA決勝>

【男子】
1位:アルマース・ナガエフ(17/ロシア)/6秒66
2位:ジョーダン・フィッシュマン(15/アメリカ)/フォール
3位:エドワルド・ダウカエフ(17/ロシア)/7秒21
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37位:伊勢 一真(16)/8秒97
42位:西田 秀聖(15)/9秒62
45位:小西 桂(17)/9秒69
47位:伊藤 寛太朗(16)/9秒84

【女子】
1位:ナタリア・カルッカ(16/ポーランド)/8秒38
2位:カミラ・クシャエワ(16/ロシア)/8秒44
3位:アレクサンドラ・カルッカ(16/ポーランド)/8秒31
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21位:伊藤 ふたば(16)/10秒44
35位:菊地 咲希(15)/12秒34
36位:栗田 湖有(15)/13秒00

<スピード・ユースB決勝>

【男子】
1位:チョン・ハラ(14/韓国)/6秒95
2位:アンドレア・ザッピーニ(15/イタリア)/7秒32
3位:エリス・アーンスバーガー(15/アメリカ)/8秒15
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12位:前田 健太郎(15)/8秒80 ※自己新・決勝トーナメント進出
17位:抜井 亮瑛(15)/8秒88
19位:川又 玲瑛(15)/8秒89 ※自己新

【女子】
1位:チョン・ジミン(14/韓国)/8秒90
2位:アンナ・カランカ(14/イタリア)/12秒25
3位:エマ・ハント(15/アメリカ)/11秒02
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31位:工藤 花(14)/13秒21
36位:谷井 菜月(14)/13秒93
44位:森 秋彩(14)/14秒61

※1・2位選手の成績は決勝タイム、3位選手の成績は3位決定戦タイム
※日本人選手の成績は今大会の最高記録

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから
日本代表出場選手、決勝スケジュールなどはコチラから

CREDITS

編集部 / 写真 窪田美和子/アフロ

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