日本勢に新たな強敵現る/リードW杯2018第2戦 シャモニー大会

 7月12・13日、フランス・シャモニーにてリードW杯2018第2戦が行われた。女子では絶対的女王、ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)の牙城を崩したオーストリアのジェシカ・ピルツがW杯初優勝。男子は過去3度のW杯優勝経験があるステファノ・ギソルフィ(イタリア)が、初めてヨーロッパラウンドで頂点に立った。日本勢の最高は女子が小武芽生の5位、男子は初の決勝を戦った田中修太の6位だった。

 中央の超巨大ピラミッドを中心に、多くのハリボテが目を引いたシャモニーの決勝課題。雄大な山々を背景に、多数の観客が詰めかけたなかで始まった女子決勝には、予選を首位通過していた野口啓代と小武芽生の日本勢2人が出場。先頭の白石阿島(米国)が記録した高度44をまずは超えたい2人だったが、野口はクイックドローへのクリップに手間取ったことも影響してか40+で力尽き、小武も足を滑らせてしまい42+にとどまる。

 その後7番手に登場したガンブレットがTOPに手をかける50+を記録し開幕2連勝を飾るかと思われたが、最後に登るピルツが躍動する。準決勝を首位通過していたピルツは、ガンブレットとほぼ同じペースで最終局面に到達すると、安定した態勢を維持しながらTOPを掴み、歓喜の涙を流した。ピルツは過去のW杯で2位が5度、3位が4度とあと一歩で頂点を逃してきたが、うれしい初優勝となった。今季初めてボルダリングW杯に本格参戦している21歳は、重慶大会で5位に入るなどそのポテンシャルの高さは見逃せない。2020年に向け、日本勢に新たなライバルが現れた。

 

女子表彰台は(写真左から)ヤンヤ・ガンブレット、ジェシカ・ピルツ、キム・ジャインが並び、開幕戦と同じ顔ぶれとなった。(写真=Eddie Fowke/IFSC)

 男子は楢崎智亜の2戦連続表彰台が期待されたが、12位で決勝進出はならず。しかし本間大晴、田中修太の10代2人が出場2戦目にして初のファイナル行きを掴み取る。決勝のトップバッターとして登場した田中は、途中で観客を煽る余裕をみせるなど、初のファイナルとは思えない堂々とした登りを披露。最後は伸ばした手が届かずに終盤に差し掛かる43+で終えるも、健闘を称える声援に応えるなど初の決勝を楽しんだ様子だった。

 次に登場した本間はその田中を約1分上回るペースで登っていくも、40+で力尽き7位入賞となった。優勝はイタリアのギソルフィ。片手ながら体の振られを見事に抑えてTOPを掴み取り、男子決勝唯一の完登者となった。ギソルフィは過去3度の優勝をいずれも中国で飾っており、ヨーロッパで開催されるW杯での優勝は意外にもこれが初めてとなった。

 同時開催のスピードW杯第5戦では、男子は元世界記録保持者のダニル・ボルドィレフ(ウクライナ)が2014年ヒホン大会以来となる優勝を果たし、女子は5月に東京で行われたスピードスターズ2018で優勝していたアレクサンドラ・ルジンスカ(ポーランド)が5年ぶり3度目の金メダルを獲得している。日本勢は楢崎が自身の国内記録に迫る6秒97をたたき出すも31位に終わったのが男子最高で、女子は自己ベストの9秒28を記録した野中生萌(26位)が最高だった。

 男女ともに唯一の完登者が1位となり、優勝者を決めるにふさわしい展開で幕を閉じたリードW杯シャモニー大会。次戦は同じくフランスのブリアンソンで、7月20、21日に開催される。

 

<リード女子決勝>

1位:ジェシカ・ピルツ(21/オーストリア)/TOP
2位:ヤンヤ・ガンブレット(19/スロベニア)/50+
3位:キム・ジャイン(29/韓国)/48+
4位:白石 阿島(17/米国)/44
5位:小武 芽生(21)/42+
6位:アナーク・バーホーベン(21/ベルギー)/41
7位:野口 啓代(29)/40+ ※準決勝7位
8位:ハンナ・シューベルト(20/オーストリア)/40+ ※準決勝8位
―――――
14位:野中 生萌(21)※準決勝進出
17位:尾上 彩(22)※準決勝進出
27位:伊藤 ふたば(16)
36位:廣重 幸紀(22)
60位:三浦 絵里菜(22)

 

<リード男子決勝>

1位:ステファノ・ギソルフィ(25/イアリア)/TOP
2位:ヤコブ・シューベルト(27/オーストリア)/48+
3位:アレクサンダー・メゴス(24/ドイツ)/46+ ※準決勝2位
4位:ドメン・スコフィッチ(24/スロベニア)/46+ ※準決勝5位
5位:ウィリアム・ボシ(19/イギリス)/43+ ※準決勝6位
6位:田中 修太(18)/43+ ※準決勝8位
7位:本間 大晴(18)/40+
8位:サッシャ・レーマン(20/スイス)/30+
―――――
12位:楢崎 智亜(22)※準決勝進出
17位:土肥 圭太(17)※準決勝進出
19位:波田 悠貴(21)※準決勝進出
20位:藤井 快(25)※準決勝進出
25位:西田 秀聖(15)※準決勝進出
28位:緒方 良行(20)※準決勝進出
54位:原田 海(19)
71位:中野 稔(34)

※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、決勝成績

 

<スピード女子決勝>

1位:アレクサンドラ・ルジンスカ(24/ポーランド)/7秒47
2位:アンナ・ツィガノヴァ(24/ロシア)/7秒75
3位:マリア・クラサヴィナ(27/ロシア)/8秒18
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23位:野中 生萌(21)/9秒84
34位:伊藤 ふたば(16)/11秒18
39位:野口 啓代(29)/12秒15
47位:小武 芽生(21)/14秒52

 

<スピード男子決勝>

1位:ダニル・ボルドィレフ(26/ウクライナ)/6秒08
2位:ドミトリー・チモフェーエフ(25/ロシア)/6秒31
3位:バッサ・マウェム(33/フランス)/5秒64
―――――
31位:楢崎 智亜(21)/6秒97
36位:緒方 良行(20)/7秒21
43位:土肥 圭太(17)/7秒51
44位:原田 海(19)/7秒60
47位:藤井 快(25)/7秒82
61位:田中 修太(18)/8秒53

※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、成績
※1・2位選手の成績は決勝タイム、3位選手の成績は3位決定戦タイム
※日本人選手の成績は今大会の最高記録

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

編集部 / 写真 窪田美和子/アフロ

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