女子予選が終了。野口、野中らが首位通過/ボルダリングW杯2018第5戦 八王子大会

 2日午前、ボルダリングW杯2018第5戦八王子大会の女子予選が行われ、有力選手が続々と明日の準決勝進出を決めた。

 68名が参加した予選は、第1、第2グループにそれぞれ34名づつが分かれて実施。第1グループで首位通過を決めたのは現在年間ランキング2位の野口啓代。一番手で登場した野口は、第1、第2課題こそ1トライ目での完登はならなかったものの、第3~5課題を一撃。その後に登った年間3位のファニー・ジベール(フランス)、同6位のカーチャ・カディッチ(スロベニア)も野口の成績に肩を並べ、3人が同率1位となった。

 第2グループは、年間ランク1位の野中生萌が貫録のトップ通過。実は今週前半から体調を崩していたということだが、誰もが苦戦した難関スラブの最終第5課題では、足のスムーズの置き換えで乗り切るさすがのパフォーマンス。体調の悪さを感じさせない、グループ内ただ一人の全完登で、明日の準決勝に弾みをつけた。

 その他日本勢では、野中と同グループの加島智子、伊藤ふたばが3完登で準決勝進出へ。海外勢では2年連続年間女王のショウナ・コクシー(イギリス)や年間5位のスターシャ・ゲヨらが順当に準決勝へと駒を進めている。

 

野口啓代コメント
「いつもW杯は男子の予選から始まるので、それを見てから気持ちを入れて、自分の予選を迎えるという感じなんですけど、八王子は女子の予選から、しかも一番手で。まだ会場も温まっていなかったと思うので1、2課題目は集中し切れていなかったです。3課題目からは集中できて、最終的に良いフィーリングで終えられたと思います。自国開催は特別な思いがあります。予選が終わったので、今日は観客の皆さんであったり、スポンサーさんであったり、親も来ているので、色々話して明日の準決勝へのエネルギーをもらいたいと思います。明日はまず準決勝の4本を完登して次に進めたらいいと思います。決勝のことは準決勝のあとに考えます」

 

野中生萌コメント
「火曜日くらいから風邪を引いてしまって。熱は下がったんですけど、喉がつらくて、上向くとむせてしまったり。スラブなどの時間がかかる課題だと、呼吸が気になって、少し集中力もそがれてしまうので気をつけていました。日本って結構悪い(難しい)イメージがあったので、予選から締まってくるだろうなって想像できていたので、体調が悪い割にはしっかり集中できたと思います。体調を理由に負けたとは言いたくないですし、明日は自分の120%を出していきたいです。(自国開催のW杯について)普段応援してくださってる方が観に来れる大会でもあるので、そういった大会で成績を残したいというのは強くあります」

 

伊藤ふたばコメント
「1、2課題目は一撃できて良かったんですけど、3課題目でゾーンが取れず調子が崩れてしまって、4課題目もアテンプトがかかってしまいました。開幕戦はW杯の雰囲気に飲まれてしまっていた部分があったんですけど、徐々に慣れてきたと思います。1戦、1戦、どこも初めての場所なので、全部の大会でチャレンジしていこうという気持ちで臨んでいます。(野口、野中について)やっぱり決勝を登っている姿を見てかっこいいと思いますし、いつか自分も一緒に戦いたいなと思っています。(今大会の目標)現時点では準決勝に進めるか微妙なラインなんですけど、もし進めたら決勝に行けるよう頑張ります」

 

<女子予選>

第1グループ
1位:野口 啓代(29)/5t5 7 6
1位:ファニー・ジベール(25/フランス)/5t5 7 6
1位:カーチャ・カディッチ(22/スロベニア)/5t5 7 6
4位:ユリア・パンテリーワ(19/ロシア)/5t5 8 5
5位:ミカエラ・トレーシー(26/イギリス)/5t5 10 6
6位:キーラ・コンディー(21/アメリカ)/5t5 10 8
7位:エカテリーナ・キプリーアノワ(28/ロシア)/4t5 4 8
8位:クレア・バーファインド(19/アメリカ)/4t5 6 9
9位:オセアニア・マッケンジー(15/オーストラリア)/4t5 8 10
10位:ウルスカ・レプイシク(17/スロベニア)/4t5 10 9
―――――
12位:菊地 咲希(15)
15位:小武 芽生(21)
16位:倉 菜々子(17)
22位:坂本 朱里(26)
28位:廣重 幸紀(22)

第2グループ
1位:野中 生萌(21)/5t5 7 7
2位:サ・ソル(24/韓国)/4t5 11 7
3位:ヨハンナ・ファーバー(20/オーストリア)/3t5 4 16
4位:ショウナ・コクシー(25/イギリス)/3t5 7 17
5位:スターシャ・ゲヨ(20/セルビア)/3t4 3 5
6位:加島 智子(35)/3t4 5 7
7位:伊藤 ふたば(16)/3t4 7 8
8位:アランナ・イップ(24/カナダ)/3t4 7 10
9位:シエラ・ブレア・コイル(24/アメリカ)/3t4 7 12
10位:アルマ・ベストファーター(22/ドイツ)/3t4 9 22
―――――
12位:尾上 彩(22)
17位:小田 桃花(24)
18位:中村 真緒(18)
19位:金子 桃華(18)
22位:木下 茜(19)
27位:小島 果琳(16)
28位:番場 香月(19)
28位:杉村 紗恵子(25)

※各グループ上位10名が準決勝進出
※左から氏名、年齢(大会初日時点)、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

 
リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

取材・文 編集部・篠幸彦 / 写真 窪田亮

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