7連覇の森秋彩「もっともっと強くなりたい」【リードジャパンカップ2026|女子決勝後の選手コメント】

 8日に行われたリードジャパンカップ(以下LJC)の女子決勝は、22歳の森秋彩(あい)が大会7連覇を成し遂げ、「強さ健在」を見せつけた。ボルダーを得意とする野中生萌が2位、ケガを乗り越えた小池はながシニア大会で初表彰台となる3位に入った。以下、ファイナリスト8人の主なコメント一覧。

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森秋彩(優勝/成績 48+)
「連覇連覇と言われ続けて、そこで勝てたことは一つの自信になった。(野中の記録の)その次を取った時にちょっと違う空気になったので、優勝が決まったのかなと思ったが、目の前に必死でゴールを取ることしか考えていなかった。あまり順位は気にしていなかった。(優勝直後に『(今までのLJCで)一番難しい最終面だった』というコメントがあったが?)円盤みたいなところにいろんな形状があって、もっと持てると思っていたらすごく薄っぺらくて。重心を落とさないとすぐに落ちてしまうぐらい悪かった。ゴール取りもあまり難しくないと思っていたが、いざ行ってみたらすごく遠く感じた。止め切れなかったのはすごい悔しかったが、伸びしろだと思う。

 (花のホールドがいくつかあったが?)見た瞬間はすごく可愛いなと思ったが、持ったことがないホールドで『どれぐらい持てるんだろう』『悪かったらどうしよう』と不安がすぐに押し寄せてきた。ここで日本一になれたからと安心せず、これが世界だったらどうなんだろうと考えたい。もっともっと強くなりたい。(BJCで5位、LJCで優勝。自己評価するなら?)点数で言ったら(100点満点で)ボルダー75点、リード90点。(リードの残り10点は)完登できなかったし、準決勝もいまいち落ちてしまった。課題がすごくハードだったのもあるけど、セッターさんがセットしてる以上、私ができないものは出してこないと思っている。そこは自分に負けた感じがして悔しい。

 (種目を絞る選手が増えている。リードとボルダーの両方を続けている理由は?)思い的にはリードのほうが大きいが、リードのトレーニングをする中でボルダーも取り入れている。(BJCは)決勝に残れて日本代表にも入れて、実力よりはラッキーだった感じだが、運も味方にできるぐらい頑張ってきた成果でもあると思うし、リードに絞るとボルダーはあまりやっちゃいけないみたいに自分に暗示をかけてしまいそう。どちらもやるが、ロサンゼルス五輪はリードで出たいと思っている。(重圧を乗り越えて7連覇できたことは今後に生きる?)メンタルスポーツだと思っている。以前はメンタルが崩れて下部で落ちたこともある。(苦手とする)ランジを躊躇せずにできたのは、日々の練習で出し切っているから、これだけやってきたので大丈夫という思いがあったから。これからも練習から本気でやっていきたい。

 (この春で大学を卒業する。進路は?)大学院には進まず、この1年は選手としてやっていこうかなと考えている。海外での生活が得意ではないので(5月開幕のワールドクライミングシリーズに)フル参戦はしないと思う。疲れ具合など自分の体と相談しながら楽しめる範囲でいながら、五輪という一番の目標に向かって近づけていけたら。(いわゆるプロになる?)ただ学生という肩書きがなくなる感じで、○○兼クライマーみたいなものを見つけるために、クライミング以外でやりたいことに手を出したりしている」
 
 

野中生萌(2位/成績 39+)
「もちろん表彰台を目指していたが、ルートのトップ選手たちは手堅く、大きな壁があるとわかっていたので2位を取れたことに少し驚いている。ベテランと言われるだけあって、長いことこの競技の世界にいる。経験値を活かせるのも自分の強み。1ラウンドずつ、1本ずつ、何が悪かったのか、次にどう修正していくのかをしっかりできたという手応えがある。(花のホールドは)存在は知っていたが触るのは初めて。ホールド自体それほどネガティブではないが、ちょっとの距離や角度をミスすると他の選手みたいに落ちるリスクはあった。逆に距離を出して抱え込みに行く感じにした。最後は限界ではなく、もっと絞り出せる感じはあった。落ちた所のホールドをしっかり持てていれば、そこでレストを入れられて、もう数手は絞り出せた感覚。なので悔しさもある。 

 (予選後にリードの練習は週1回と言っていたがその上で2位。ルートにはボルダーの要素もあったと思うが?)今回は運が味方したとは思う。決勝ルートのタイプが自分のスタイルに合っていた上での結果。ただ、そういったルートでも持久力を発揮し切れなかった過去がある。週1回でも継続してきたことが結果に出たのかなと思う。(種目を絞る選手が増えている。得意のボルダーに絞る選択肢もあったと思うが?)リードをすることでボルダーの要素が補われている部分があるし、その逆もある。ボルダーをしているから今回のようにリードでのパワー系でも登っていけたり、リードで持久力がつくことでボルダーで粘り強くなったり。相乗効果を感じているので両方続けている。リードの大会に出なかったとしても、今後もリードは継続して練習すると思う」
 
 

小池はな(3位/成績 39)
「2024年大会は直前に肩の脱臼で欠場、2025年大会は予選はよかったもの準決勝を不甲斐ない結果で終えた。『今年こそは』と挑んだ大会で3位という結果を残せて本当にうれしく思う。(決勝で他の選手が苦戦した花ホールドへのランジを難なくクリアしたが?)ここ1年でトレーニング方法を変え、ボルダーを増やしたり、フィジカルを整えたりしてきたので迷いなく出ることができた。何と言っても(自分の名前と同じ)花のホールドが使われていたので『これ登りたいな』というモチベーションもあった。脱臼の原因がボルダーだったのでトラウマの克服に時間がかかった。ここ最近でやっとトラウマ10割が1割ぐらいになっていた。(今回のランジ成功で)もう克服でいいと思う。

 以前に日本代表として出ていたシーズンは思い返すとちゃんと準備できていなかった。しっかり優勝を狙うつもりでどの大会でも準備して頑張っていきたい。(直近のアジア選手権は日本人最上位がアジア競技大会に繋がるとされているが?)ライバルは秋彩ちゃん。強敵だがいつか勝ちたい気持ち。年を重ねていくごとに自分の弱みを把握できるようになっていて、実力差を縮められる自信はある。大学でのトレーニング環境がすごくいい。それを含めてさらに磨きをかければ差は縮まるんじゃないかなと自分に期待している」
 
 

小田 菜摘(4位/成績 35+)
「やっと解放されたな、という感じ。結果は望んでいたものではなくうれしさはないが、去年のW杯などの結果からすると4位はホッとしている。前のW杯は体つきが変わる時で、自分の登りがちょっとわからなくなって…。それで調子が落ちていたが、最近やっと慣れてきた。『これ』ということはしていない。自分は予選が苦手で、準決勝のオンサイトトライが得意。しっかり予選を通過して、コンスタントに決勝に残れるような選手になりたい」
 
 

中川瑠(5位/成績 27+)
「準決勝はすごくいい粘りが出せて、今までで一番いい登りができた。今までで一番、秋彩ちゃんに近い順位、近い高度を出せて、秋彩ちゃんと戦えると感じられた。まだまだ足りないものはいっぱいあるが、少しでも追いつき、追い越せるように頑張りたい。去年まではケガしていたこともあり、体力トレーニングができていないことも多かった。このオフは体力トレーニングをしたり海外へトレーニングに行ったりして、いろんな経験を通して積み重ねたものがすごく多い。それがいい方向に進んできたのかなと思う。

 今回は体力に自信があり、表彰台は狙えると思っていた。自分の登りにはすごく不満が残る。決勝は自分のリーチを最大限に活かそうと思ったが、手が先に抜けてしまい、微妙なランジになってしまった。その前で足が滑って焦ったのがよくなかった。今回の登りを練習に活かして、アジア選手権、WCシリーズでリベンジしたい」
 
 

青柳未愛(6位/成績 27+)
「まさか(LJCでは自身初の)決勝に残れるとは思っていなくて、ワクワクした気持ちで挑めた。去年のLJCで選手の登りを観て『かっこいいな』と思い、そこから1年間練習を続けてきた。リードの練習量増加が決勝進出に繋がったと思う。高グレードにも触れるようになって、リードの楽しさもわかってきた。ボルダーにもリードにも取り組むことで相乗効果みたいなものがあると思う。これからもリードは続けていきたい」
 
 

張替夢乃(7位/成績 27+)
「ボルダーがメインなので気楽な気持ちでいけた。普段のリードは緊張して力んで、下部からガタガタした登りになってしまう。今年はリフレッシュした気持ちで、予選から自分の強みが出せていい登りができた。去年はリードの練習を増やし過ぎてしまい、思い切りある一手が取れなくなってしまった。その反省を生かして、ボルダーの頻度を増やしつつリードもやる感じでいたのがいい結果に繋がったのかなと思う。(種目を絞る選手が増えているが?)ボルダーに取り組んでいる良さがリードに出ることもわかった。引き続きボルダーメインになるが、リードも続けてうまく相乗効果が出るようにしていきたい。リードの代表になれたのはすごくいい機会。引き続き練習に励んで、出られる大会には出ていきたい」
 
 

小武芽生(8位/成績 27+)
「ランジ前にあるお花のスローパーで意外と体力を吸われてしまった。3Dというか、壁から出た立体的な大きなホールドで、周りがあまり見えておらず、なかなか思い切った判断ができずに時間をかけてしまった。その後のランジに集中し切れなかった感じ。(花のホールドについて)私はスローパー嫌だな、としか見ていなかった。今シーズンはアジア競技大会の出場が決まっている。出られる大会に向けて仕上げていきたい」
 
 
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CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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