楢崎明智「フィジカルの調子は上がっていた」【ボルダージャパンカップ2026|決勝後の選手コメント】
1日に行われたボルダージャパンカップ(BJC)男子決勝は楢崎明智が制し、男子史上2人目の複数回優勝を成し遂げた。決勝進出者はすでに内定している選手を含めて日本代表権を獲得。その中から優先順が考慮されて4月のアジア選手権や5月開幕のワールドクライミングシリーズ(以下Wシリーズ、昨年までのW杯から名称変更)などに派遣される。以下、ファイナリスト8人の主なコメント一覧。
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楢崎明智(優勝)
「2年ほど前から前腕や指をずっとケガしていたが、この冬は珍しくシーズン後にケガを一切しておらずフィンガートレーニングなどがいつも以上にできていてフィジカルの調子は上がっていた。距離感がW杯みたいに遠い課題でびっくりした。要所要所で日本人らしい繊細な匠の技も感じた。BJCの課題とW杯の課題は求められる能力が違い、W杯で苦手だった場所を練習するとBJCには出てこなかったりする。引退するまでにW杯(今年からWシリーズ)で優勝したいので、今年はそろそろ優勝したい」

楢崎智亜(2位)
「(各課題の印象は?)第1課題がウェルカムで、第2課題は上部がよくわからなかったもののそれほど難しくはない。第3課題で勝負かなと感じた。第4課題はラストのムーブを誰も読み切れず現場処理になる感じだった。『手に足』かと思ったが誰もできなかったのでその部分がわからない。体力的な問題もあった。今のトレーニングを継続して、もう少し体をつくり込んでいく。Wシリーズに向けて4kgほど体重を落とせる。そうすると感覚もだいぶ鋭くなる。(弟の明智選手が競技終了後にかけた言葉は?)『おめでとう』と。BJCの優勝回数を抜かれた悔しさなどはまったくない」

安楽宙斗(3位)
「準決勝、決勝からできる、できないの差が激しいというか、自分の本当に苦手な課題が結果に影響した。ここまで明確に反省点が出てくれるとさすがに火もつくので、今後を考えたらすごくいい大会になったと思う。1トライ目、どのムーブをチョイスするかも課題。1トライ目のイメージはその後のトライを左右する。
第4課題は単純に強度が高い課題だった。最初のトライで最後の部分がうまくかみ合わずに落ちてしまい、十分休んでから2トライ目をする判断をしたが、僕は2トライ目に甘えちゃう癖というか、一回できたからいけると思ってしまうのか細かいところを調整しない癖があり、最後の足が奥まで入り切らなかった。(3月のリードジャパンカップに向けて)まずは一旦休んでからボルダーは継続しつつリード壁での練習を増やしていきたい」

土肥圭太(4位)
「得意のスラブ(で完登できず)で表彰台を逃して悔しいのが第一にある。ついにWシリーズの舞台に戻れるということで『ここからもっと上げてやるぞ』という気持ちが次にある感じ。準決勝、決勝と強度が高いのもそうだが、ただ難しいというよりは時間内に決め切るのが難しい感じだった。そこはむしろ自分の持ち味だと思って登り切れる実力がある課題は登り切りたい気持ちで頑張った。
12月まではトレーニングも満足にできず自信もなかったが、ある時から突然登りの調子がいいなと思う日があり、そこから右肩上がりに上がっていった。その原因を突き止められればもっと自分が成長するきっかけになる。1つ、基礎に立ち返ったというのはあるかもしれない。5、6年前にしていたトレーニングをやり始めると動きがよくはなってきたので、きっかけにはなったのかなと思う。
ここ2年、大会に出られないために仕事をしていて、仕事をしているから練習が満足にできないというサイクルになっていた。国際大会に出られるということで、今までの貯金をすべて使い果たすつもりで贅沢に時間を使って練習していきたい。一昨年に同い年の天笠(颯太)選手がW杯で優勝して、去年は中村(真緒)選手も優勝して、この2選手が同年代を引っ張ってくれている。彼らに負けないように、メダルや過去最高成績ではなく、しっかりと『優勝を狙う』と言えるような選手になることが一番の目標。ロサンゼルス五輪は今の実力では目指せる位置にはいない。目指したいと言えるところにまずは行きたい」

川又玲瑛(5位)
「4年ぶりに決勝に帰ってこられてホッとしているのと、2週間ほど前に足をケガして万全の状態で臨めなかったのが少し悔しいという思いがある。決勝課題はめちゃくちゃ難しかった。でも本当にW杯みたいな距離感で、すごくかっこいい課題で、あれが登れたらかっこいいんだろうなという感じだった。フィジカルと距離出しが一番の課題。Wシリーズまでにはもっと対応できるように頑張りたい」

佐野大輝(6位)
「今年も決勝に残れたことはよかったが去年と同じで、予選はダメで準決勝は調子がよく、決勝で失速しがち。決め切らないといけない課題も決められず悔しい。2課題目は苦手な強傾斜だったが惜しい感触はあった。どちらかというと保持するのが苦手。でも今回の決勝は距離が遠くてホールドは意外とポジティブだという課題だったのでもっと思い切っていけばよかった。
今回はラウンドを進むごとに課題の距離感がすごく遠くなっていく印象があった。距離出しに対応するのに時間がかかってしまうのが自分の課題なので、そこを練習していきたい。国内のジムで普段登っている課題は日本人の距離感でつくられている。ホールドを少なくして登ったり、まぶし壁で距離が遠い国際大会に向けた課題をつくったりしてトレーニングに取り入れようと思っている」

杉本侑翼(7位)
「予選、準決勝と調子がよかったものの、準決勝の内容がハードで、その疲労を引きずってしまい決勝の動き系に対応できなかった。それが今の実力かなと思う。大きい動きへの対応が苦手で、次に繋げるために一番大事にしようと思っているところ。準決勝を上位通過した人は準決勝後半のフィジカル課題を少ないトライ数で落としていたところからもかなりの差がついていた。
去年はより日本っぽい課題が多かったというか、BJCならではの強度感やフィジカルを求められたが、今年は動きが広くなり、W杯でセットするセッターさんも何人かいたのでよりWシリーズに近い内容で戦えたのかなと思う。Wシリーズ最終戦には参加できると思うので、まずはそこに調子を合わせて、去年は決勝に残れなかったので決勝に残りたい」

篠沢諒(8位)
「(ジャパンツアー1位通過から初のBJC決勝にたどり着いたが?)初めて決勝に出られたこと自体はうれしかったが、予選と準決勝でトライ数がかさんでしまい、もともと指皮が弱い体質で決勝になってそれが顕著に出てしまった。2課題目もいけそうだったが出血して競技ストップが入ってしまった。出し切れず悔しい。
(ジャパンツアー1位とBJC決勝進出の要因は?)運が強かった。そんなに強くないので、課題にうまく当てはめるような練習をし続けたらセッターの意図も読めるようになってきて、だんだんといけた感じ。あまり挑戦的なことはできないけど、守りに入りながらも一個一個丁寧に登るような姿勢でいる。(アルバイトしている)B-PUMP荻窪のセット時に試登で入らせてもらう際にセッターさんの意図を聞き取ってから登るようにしている。そういう小さな積み重ねが決勝という大きい舞台に立てるきっかけになったと思う。
もしWシリーズに行ける時があれば、BJCでは出し切れなかったので出し切って楽しかったと言えるようにしたい。(現在大学3年生で進路は?)決勝に進むと『楽しいな』という気持ちになってしまう。就活する予定だったが今回決勝に行けてしまったのでどうしようかと悩みだしている」
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CREDITS
取材・文 編集部 / 写真 窪田亮
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