2冠の安楽宙斗「選手も観客も同時に楽しめるいい大会だった」【BEMACクライミングドリームカップ2025|選手コメント】
「BEMAC クライミング ドリームカップ 2025 in 西条」が8、9日、愛媛県西条市の石鎚クライミングパークSAIJOで行われ、ボルダー、リード、スピードの3種目が実施された中で安楽宙斗がボルダーとリードで2冠、森秋彩がリードで優勝するなど招待選手が活躍した。大会を終えた招待選手の安楽、森、大政涼と各種目上位選手に話を聞いた。
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■安楽宙斗(男子ボルダー優勝/リード優勝)
――初日のリードで優勝しました。
「自分の苦手な壁の形状でしたが、ボルダー力や経験でうまくいなせて悪い部分を消せたのかなと思います。トレーニングの自信もありましたし、やっていることはいい方向に進んでいることが確認できてよかったですね」
――2日目のボルダーは圧巻の決勝全完登で優勝しました。
「珍しく決勝チックな課題で、ベルコン形式に珍しいルールで。完登系の課題なのはわかっていたのでトライ数を極力少なくするところで丁寧に登りました」
――愛媛での大会でした。盛り上がりをどう感じましたか?
「招待選手ということもあって期待されていることは感じました。緊張しましたがたくさんの歓声を受けて楽しく登れました。各種目の壁が(中央を)囲うように配置されていて、しかも同時進行で競技が進んでいくので賑やかでした。一生懸命競技観戦を楽しむ人もいれば、お祭り感覚で楽しむ人もいて、会場全体にいろんな人がいていろんな楽しみ方があったと思います。3種目なので選手もいっぱいいて、選手も観客も同時に楽しめるいい大会だったなと思います」

■森秋彩(女子ボルダー3位/リード優勝)
――大会を振り返ると?
「リードは予選の下部パートからかなりハードでした。下部は予選のほうが難しい感じでしたが、上部はやっぱり決勝のほうがだいぶ難しくなっていてジャパンカップと変わらないぐらいの悪さで個人的には楽しかったです。ゴール落ちすることが多かったんですが、今回はゴールを取れてオフシーズンにトレーニングしてきた成果が出てうれしかったです」
――ボルダーについては?
「かなりコーディネーションムーブが多かったですけど、前よりは少し対応できた感じがあって自信に繋がりました。今後のBJC(ボルダージャパンカップ)、LJC(リードジャパンカップ)に向けてもっと磨いていきたいです。半年くらいぶりのコンペで本当に楽しかったです」
――招待選手として参加した今大会の印象は?
「招待していただいたことに感謝しています。今日みたいに本当に楽しめて、しっかり優勝できたという経験、気持ちを今後の公式戦でも忘れないようにして、いつまでもフレッシュでいたいなと思います。リードの決勝で最前列の子どもたちが下部パートから応援してくれてすごくうれしかったですし、最上部でだんだん声援が大きくなっていくのも懐かしい感じでやっぱり大会は楽しいなと感じました」

■大政涼(男子スピード5位/ボルダー8位)
――スピードは途中棄権で5位でした。
「予選から本当に調子がよくて、決勝でも絶対に4秒はいける自信があったんですけど、途中で足がつってしまって、今までにない負け方、終わり方で不甲斐ないというか、最後まで登り切れず申し訳ない気持ちがあります」
――2日目のボルダーは予選全完登で1位通過、決勝はゼロ完登で8位でした。
「楽しもうという気持ちで予選は挑みました。得意な課題が揃っていたんですけど決勝になると横に広い課題などに対応できず、ボルダーに強い選手がしっかり力を出していてあらためてすごいなと感じました。全くかないませんでした。来年はBJCにも出たいと思っているので、これはこれでいい経験になりました」
――地元開催で歓声も上がっていました。大会の雰囲気などはいかがでしたか?
「いつもサポートしてくださっている企業の方や、クライミングジムで会う友人だったり家族だったりが来てくれて、いつも以上に応援してくれているのを感じました。オフシーズンに入っているので5秒台前半くらいを出せればいいかなと思っていた中で5秒00を出すことができて、皆さんの声援の力だなと思いました」
――次回開催に向けて、この大会の魅力はどういったところにあると思いますか?
「3種目を同時に開催する大会は観ているだけでも楽しいですし、僕はスピードがメインですけど他種目のいろんな選手を生で観ることができて本当に楽しかったです。お祭りな感じでワイワイしていて僕は好きでしたね。第2回大会も地元の愛媛で開催されるならば必ずスピードで優勝したいです」

■小俣史温(男子リード2位)
「予選から登りづらい系のルートで、決勝も少し登りづらくて自分の相性に合わない感じでしたができることは全部やった上での結果ですね。(予選8位からの決勝2位だったが)どちらかというとチャレンジャー側に立ちたくて、普段から追い詰められたほうが自分らしい登りができるんです。安楽選手を倒そうと思っていたんですけど、圧倒的に自分の実力不足でした。オフシーズンでリードの練習量も不足していたので、自分のMAXでは挑めなかった。やっぱり安楽選手は自分のMAXを出さないと倒せないのかなと。100回に1回くらいMAXを出してようやく勝てるのかなと思います。来シーズンは一発当てられるクライマーになりたいです。1回でもいいので大きな結果を残して、気持ちよく1年を終わりたいです」

■石井未来(女子ボルダー2位/リード6位)
「最近はボルダーの成績が微妙だったので、この結果が来シーズンに繋がればいいなと思います。来シーズンはリードでもボルダーでも代表に入りたいです。リードのほうが練習を多くしてきたんですけど、判断がよくなかったですね。オンサイトが苦手で、その練習も兼ねて出場しました。(この結果が)LJCじゃなくてよかったです」

■河上史佳(女子ボルダー11位/スピード優勝)
「まさか優勝できるとは思っていませんでした。0.09秒差の接戦で結果的に勝つことができてよかったです。神様が味方してくれたのかなと思います。今後の目標は非公式でのベストタイムを公式戦でも出せるようにすることです。非公式で7.5秒、公式で7.6秒なので、これを更新していきたいです」

■林かりん(女子スピード2位)
「2位、悔しいです。全体的に世界選手権よりパフォーマンスが上がっていたし、気持ちのコントロールもできていたので、そういう面では成長できたなと思います。ケガも順調に回復していて、いろいろと改造中です。主に中間部を改造中ですが、下部からの加速も大事なのでスタートから変えています。ジャパンツアーで改造中の課題や苦手を克服して、ジャパンカップで6秒台、さらに気持ちの面でももう一歩成長できたらなと思います」

■田渕幹規(男子スピード1位)
「久々の優勝で、賞金も獲得できて素直にうれしいです。練習では4秒台を出せているので、予選で少しグダグダになっていたのがもったいないなと思います。1月のジャパンツアーで4秒台を出して優勝して、その勢いでジャパンカップも優勝して来年のW杯に備えたいです」
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取材・文 編集部
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