ボルダーとリードで2冠を達成した安楽宙斗
安楽宙斗がボルダーとリードで2冠 森秋彩はリードで連続完登V【BEMACクライミングドリームカップ2025】
「BEMAC クライミング ドリームカップ 2025 in 西条」が8、9日、愛媛県西条市の石鎚クライミングパークSAIJOで行われた。実施種目はボルダー、リード、スピード、スピードリレーで、招待選手として出場した安楽宙斗がボルダーとリードの2冠に輝く活躍を見せた。
男子リードで優勝した安楽
初日の8日は男子リード、女子ボルダー、男女スピードが行われた。男子リードは安楽が完登目前まで迫る39+を記録して予選を1位通過すると、決勝も40+の好成績で優勝。予選8位の小俣史温が36+で2位、同4位の百合草碧皇が36を記録して3位に入った。優勝賞金の30万円は、安楽は招待選手のため対象外となり、2位の小俣に渡った。
女子ボルダーに出場した森秋彩
女子ボルダーは日本代表で活躍する関川愛音、招待選手の森秋彩が4完登し、ポイント数も99.6で予選1位タイ。決勝は関川と予選6位通過の石井未来が4完登の99.3ポイントで並び、カウントバックにより関川が優勝して賞金30万円を獲得した。森は2課題目でゾーンを獲得できず、3完登で3位だった。
女子ボルダーで優勝した関川愛音
男子スピードで優勝した田渕幹規
男子スピードは地元出身で招待選手の大政涼に注目が集まった。2回目の試技で予選最速の5秒00をマーク。地元の熱い声援を受けて決勝トーナメント初戦にも勝利したが、足がつってしまい1/4ステージを棄権。5位で大会を終えた。ビックファイナルは田渕幹規と谷井和季が対戦し、田渕が今大会での自己最速5秒18を記録して優勝を手繰り寄せた。
女子スピードのビッグファイナルを戦った(左から)林かりん、河上史佳
女子スピードは日本代表の林かりん、小屋松恋、河上史佳が上位を占めて順当に決勝トーナメントに進出。優勝賞金30万円を懸けたビッグファイナルは林と河上が対峙。林がスタートからリードするも、中間部で足を滑らせてしまいタイムロスしてしまい、最後は0秒09の差で河上に軍配が上がった。
互いに健闘を称え合った
大会初日は天気に恵まれ、およそ200人が集まって大会の盛り上がりに繋がった。今大会はボルダーとリードが一部の時間帯で同時に実施されるスケジュールで行われ、トップ選手が複数種目で次々に登場した。また、競技の合間にはボルダー体験会やパルクール体験会も催された。ボルダー体験会では初日に安楽、2日目に森が講師を務めた。
男子ボルダーで優勝した安楽
大会2日目は男子ボルダー、女子リード、スピードリレーが行われた。男子ボルダーは大会前に「趣味のような範囲でしかやっていないため、リフレッシュする感じで楽しみたい」と話していた大政が3連続で一撃した勢いそのままに最終課題も完登。安楽と並んで首位に立った。決勝は予選に続いて99.9ポイントを獲得した安楽が戴冠。リードとの2冠を達成した。
女子リード決勝で完登し優勝を決めた森秋彩
女子リードは注目の森と谷井が予選を完登して首位タイ通過。決勝は森が再度完登するワールドクラスの登りを見せて優勝した。その後は男女混合で争うスピードリレーがエキシビションとして実施され、大西月華と小屋松恋のペアが14秒21で優勝。リレー形式というスピードの新たな楽しみ方や魅力を発信した。
エキシビションとして行われたスピードリレー
優勝した大西月華(右)と小屋松恋のペア
<リザルト>
[男子ボルダー]
1位:安楽 宙斗(JSOL)/99.9pt
2位:川又 玲瑛(B-PUMP)/99.7pt
3位:杉本 侑翼(近畿大学工業専門学校)/84.9pt
[女子ボルダー]
1位:関川 愛音(八戸学院光星高等学校)/99.3pt
2位:石井 未来(滋賀県山岳連盟)/99.3pt
3位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/74.6pt
※左から順位、氏名、所属、獲得ポイント
※ポイントはゾーン到達で10点、完登で25点。各課題のポイント獲得までにフォールした回数×0.1点が減点される
[男子リード]
1位:安楽 宙斗(JSOL)/40+
2位:小俣 史温(日本体育大学)/36+
3位:百合草 碧皇(日新火災)/36
[女子リード]
1位:森 秋彩(茨城県山岳連盟)/TOP
2位:谷井 菜月(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/35+
3位:張替 夢乃(愛媛県山岳・スポーツクライミング連盟)/28+
※左から順位、氏名、所属、決勝成績(高度)
[男子スピード]
1位:田渕 幹規(上宮高等学校)/5秒18
2位:谷井 和季(奈良県山岳連盟)/5秒93
3位:安川 潤(早稲田大学)/5秒26
[女子スピード]
1位:河上 史佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/7秒90
2位:林 かりん(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/7秒99
3位:金谷 春佳(鳥取県山岳・スポーツクライミング協会)/8秒41
※左から順位、氏名、所属、記録
※記録は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3位はスモールファイナル(3位決定戦)でのタイム
「BEMAC クライミング ドリームカップ 2025 in 西条」公式サイト
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