日本がボルダーで圧巻V 4人一撃で100点発進 中村真緒は男子超え3完登【IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025】

 IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025(筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート=福岡県飯塚市)は25日午後、国別対抗戦「ネーションズグランドフィナーレ」のボルダー決勝を行い、男女4人で8完登した日本が初優勝に輝いた。

決勝前のチーム紹介。(左から)鈴木友希コーチ、中村真緒、野中生萌、天笠颯太、安楽宙斗

 決勝には予選1位の日本と同2位のイスラエル、敗者復活戦1位の韓国と同2位の米国が進出。各国は男女2人ずつのメンバーを送りだし、男子の2課題、女子の2課題、男女混合の1課題で初代王者の座を争った。日本は男子が安楽宙斗と天笠颯太、女子が野中生萌と中村真緒の4人で構成。そこにアドバイスなどを送る鈴木友希コーチらも加わり、決勝に臨んだ。

初めてボルダーのメンバーに入ったソ・チェヒョンが完登

 第1課題はリードの実力者、ソ・チェヒョンが初めてボルダーのメンバーに入った韓国が会場を盛り上げる。イ・ドヒョンがいきなり男子課題を一撃すると、ソもテクニカルなムーブで女子課題を完登した。

第1課題を登る安楽

 すると4カ国目に登場した予選1位通過の日本が格の違いを見せる。天笠、中村、安楽が最初のアテンプトでトップホールドに達すると、野中は親指で押し上げるようにゴール下のホールドを保持。そのまま完登し、4人全員が一撃で25ポイントを得た日本が満点の100点スタートを決めた。

野中は親指で保持しながら完登につなげた

ガッツポーズを見せる

 第2課題もまず韓国が魅せる。女子2人がスムーズな重心移動からうまく体を引き上げた。予選から決勝にストレートインしていたイスラエルも追撃。女子2人が一撃すると、バランス力が求められた男子課題もオレン・プリヘドがフラッシュし、第2課題は男女あわせて3完登に達した。

今大会で躍動したイスラエル勢。プリヘドは男子第2課題をただ一人完登した

 日本はまたもや野中、中村の女子2人がファーストトライで仕留める。男子は苦戦し、安楽も天笠も後半のスロームーブを最後まで決め切れなかった。男女それぞれの2課題目を終え、日本が169.8ポイントで首位。韓国が129.9ポイントで2位、イスラエルが韓国に迫る129.7ポイントで3位につけた。

男子第2課題にトライする天笠と見守る日本チーム。協力可能な国別対抗戦ならではの光景だった

 各国は第2課題終了時点で最後に登る男女混合課題のペアを決定。バランス力などが問われた緩傾斜の最終課題に対し、米国、韓国、イスラエルは男子のみが完登した。この時点で他国は日本のポイントに及ばず、開催国の優勝が決まった。日本は安楽と中村のペアを選択。安楽が2トライ目に難なく登り切ると、スラブを得意とする中村も見事なボディバランスで進み、距離のあるゴール取りもクリア。女子ではこの課題初完登となり、ただ1人の3完登で男子も超えるポイント数を稼いだ。

女子で唯一第3課題を登り切った中村。男子も超える74.9ポイントを獲得した

健闘を称え合う日本チーム

 混合課題で男女とも完登する有終の美を飾った日本。あらためてその選手層の厚さを世界に示す結果となった。

<決勝リザルト>

1位:日本/219.6pt
2位:韓国/164.7pt
3位:イスラエル/154.7pt
4位:米国/89.6pt

※左から順位、国、合計獲得ポイント

「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」公式サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 小野正文 / 株式会社C.P.I.

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