完登の安楽宙斗「チームのためにミスはできなかった」【IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025|リード決勝 選手コメント】
IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025(筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート=福岡県飯塚市」で24日に行われた国別対抗戦「ネーションズグランドフィナーレ」のリード決勝は韓国が優勝し、日本は2位に終わった。決勝を終えた安楽宙斗、吉田智音、野中生萌、谷井菜月の日本人選手4人に話を聞いた。
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■安楽宙斗(Bルート/完登 48ポイント)
――完登で終えた今の気持ちは?
「正直、男子で差をつけていい展開を見せたかったんですけど、女子も登る課題だったこともあってかなり余裕があっての完登でした。チームのためにミスはできなかったのでいつもの緊張感とは違いましたね」
――完登した時に胸をさするような仕草があった。
「いつものW杯みたいにギリギリまで自分をどう出せるかというのとは違い、完登をしなくちゃいけないというところですごく緊張しました。無事にミスなく完登できての安堵でしたね」
――後で登るチーム、選手のほうがだいぶ有利になる。
「そうだと思います。最後のほうがいろんな人のムーブを見て、裏にもモニターがあって登りを見られていたのでかなり有利ですけど、その分、緊張があったり逆に参考になる人のムーブしか思いつかなくなってしまうデメリットもあると思います」
――2位という結果については。
「もちろん悔しいですけど、韓国は全員が強いので2位でも妥当かなとは思います。次にこういう機会があればしっかりと勝ちたいと思います」

■吉田智音(Aルート/43.5ポイント)
――今の気持ちは?
「Aルートを完登できず悔しさが残るなという感じです」
――なるべく多くの情報量を吉田選手に渡すため野中選手が先に登ったと聞いた。
「生萌さんは僕と身長が近くて体格的にこういう動きができるだろうと想像しやすかったのでタメになりました」
――ゴール取りはいける感じはあった?
「ありましたね。最後は右足がもう1個上にあって、そっちに踏み替えるか、そのままリーくん(イ・ドヒョン)のように飛び出すかというのがあったんですけど、先にリーくんの登りを見ていたので足が滑って落ちるよりは飛んだほうがいいのかとか考えてしまい、普通じゃありえない方式だったことで雑念も混じってしまったと後になって感じています」
――国別対抗戦について。
「チーム戦みたいなルールが新しくて新鮮で、予選から楽しむことができたのかなと思います。男女で同じルートを登って、体格差がどうしても出てくると思うんですけど、そこを頑張って切り抜けている感じはこっちも応援に熱が入るというか、それは見ていても楽しかったですね」
――W杯で初優勝、年間でも2位に入った。どんな年だった?
「本当に長いシーズンで、メンタル的にきつかったシーズンでした。最後に勝ち切れないみたいな、あと一歩のところで逃してきてしまったシーズンなのかなと思います。来年こそW杯の年間優勝を目指していきます」

■野中生萌(Aルート/32.5ポイント)
――感想は?
「悔しいですね。(谷井)なっちゃんと『女子はどっちもまだ出し切れたね』って話していたのと、右のBルートは上部が簡単すぎて男子で差がつかなかったのが悔しいところです」
――国別対抗戦について
「普段からみんなのことをサポートしたい、応援したいという気持ちはあるんですけど、そのチーム感がより高まっていて、みんなで鼓舞して雰囲気をよくしてっていうのもみんな自然とやっていてすごくいい雰囲気だなと思いました」
――男女で登る共通の課題。難易度は体感的にW杯の決勝くらいか。
「女子だとW杯の準決勝、決勝に出てくるレベルだとは思います。実際に(ソ・)チェヒョンも高度的にあれぐらいなので、リアルにそれくらいなのかなと思います」
――Aルートで女子が先に登ったのは日本だけでした。
「(吉田)智音選手が先に出て私が情報をもらうよりも、絶対に上まで行けるであろう智音選手にいろんな選手を見てもらって情報を得てもらったほうがいいなというところで、私が先に行くと決めました」
――それはこういう大会ならでは。
「そうだと思います。あと智音選手と私は体格にすごく大きな差がなくて、海外の男子選手を見るのと私を見るのだと私のほうが距離感が近いイメージがありました。そういうのもいい方向に働いたのかなと思います」
――明日はボルダー決勝がある。
「絶対に圧倒的に優勝します。頑張ります」

■谷井菜月(Bルート/37.5ポイント)
――昨日は悔しいという話だったがどう切り替えて決勝に臨んだのか。
「昨日はチーム戦ということを考えてしまい緊張した面もあったんですけど、今日は自分の登りにフォーカスして、集中して登ることを意識しました」
――積極的に一手が出ていたように見えた。
「自分の中で調子がいい時はペースが速めだというのが自分の中にあって、それもあって最初からペースを意識して登りました」
――今回はリードだけの出場。大会出場を終えての感想は?
「こういう大会は初めてでとても新鮮で、いつもは個人競技ですけどチームで戦えてすごい楽しかったです。また機会があるならば出場したいなと思います」
「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」公式サイト
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取材・文 編集部 / 写真 © CB/Sutterz
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