表彰台に上がった、優勝の韓国チーム(後列)、2位の日本チーム(前列左から5人目まで)、3位のイスラエルチーム(前列右から5人目まで)

国別対抗戦で日本がリード銀 優勝は韓国【IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025】

 IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025(筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート=福岡県飯塚市)は24日午後、国別対抗戦「ネーションズグランドフィナーレ」のリード決勝を行い、日本は2位で韓国に初優勝の座を譲った。

 決勝には、予選に出場した6カ国のうち4カ国が進出。予選と同様に各国からルートAに男女2人ずつ、ルートBに男女2人ずつが挑んだ。

日本の先陣を切った野中生萌

 他選手の登りから情報を得られたり、仲間同士で相談したりできるルールのもと、イスラエル、米国、日本、韓国が1人ずつ順番に登り、2巡する形で各国2人がルートAを登った。1巡目に女子を送り出したのは日本のみ。チームキャプテンの野中生萌が先陣を切った。野中は中盤のダブルダイノを決めて観客を沸かせるなどし、記録は32.5ポイントで一部の男子選手を上回る成績を収めた。

リードの世界王者として臨んだイ・ドヒョン

吉田智音がイに並ぶ43.5ポイントをマーク

 韓国の1番手、イ・ドヒョンは9月に世界選手権で優勝した実力を見せ、軽々と登りトップホールドへ。最後のムーブは失敗したもののルートAで最高となる43.5ポイントに達した。日本の2番手、吉田智音は今季W杯での年間2位につながった抜群の安定感を発揮し、完登こそならなかったがイと同じポイントを日本にもたらした。ルートAのトリを務めたソ・チェヒョン(韓国)は女子トップの38ポイントをマーク。これによって韓国が81.5ポイントで1位に。日本は76ポイントの2位で韓国を追いかける展開となった。

ソ・チェヒョンが見事な登りで韓国にアドバンテージをもたらす

ルートBで積極的なクライミングを見せた谷井菜月

 ルートBは全体の3番手で登場した谷井菜月が、チーム戦ならではの緊張から思うように登れなかったという予選の悔しさを晴らすかのように積極的に次の一手を繰り出していき37ポイントの成績を残した。すると韓国のノ・ヒョンスンが粘りのクライミングで終盤も高度を伸ばし、そのまま完登。これ以上ポイント差で離されたくない日本は安楽宙斗も負けじと完登してみせ、完登後は安堵した様子で大声援に応えた。

完登したノ・ヒョンスン

安楽宙斗もその実力を発揮して登り切った

笑顔で歓声に応えた

 日本が韓国に32ポイント差をつけて暫定首位に立ったあと、最後に登るのは17歳にして今季のリードW杯を年間8位で終えたキム・チェヨン。キムは慎重にムーブを重ねていくと、優勝を決める32手目に到達。最終的には37.5ポイントまで積み上げた。4人全員が好成績だった韓国は日本らを抑え、ネーションズグランドフィナーレのリード初代王者に。日本は惜しくも6ポイント及ばず2位に終わったが、選手たちの健闘に会場から大きな拍手がおくられた。

韓国の優勝を決めたキム・チェヨン

<決勝リザルト>

1位:韓国/167pt
2位:日本/161.5pt
3位:イスラエル/135.5pt
4位:米国/135pt

※左から順位、国、合計獲得ポイント

「IFSCクライミンググランドファイナルズ福岡2025」公式サイト

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 小野正文 / 株式会社C.P.I.

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