
山田航大インタビュー:ユース世界選手権2025優勝【住友商事 presents Enriching+賞】
JMSCA(公益社団法人日本山岳・スポーツクライミング協会)は昨年、今後のスポーツクライミングを牽引していく次世代のユース選手の支援を強化していきたいという若年層支援パートナーの住友商事株式会社(以下、住友商事)からの申し出を受け、「住友商事 presents Enriching+賞」を新設した。賞名の「Enriching+」は、住友商事グループのコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」に込めた想いを受け継ぎ、未来に向かって新たな価値を“+(プラス)”することを表している。
今回は今夏に行われたIFSCクライミングユース世界選手権で優勝した4人が受賞した。副賞として日本代表オフィシャルサプライヤー「THE NORTH FACE」のアイテムも贈られる。CLIMBERSでは各選手に同大会でのエピソードを中心に話を聞いた。本記事ではU19の男子ボルダーで優勝した山田航大選手のインタビューを掲載する。
関連記事:ボルダーで山田、村越、濱田が金 U-17男子は日本勢が表彰台独占【クライミングユース世界選手権2025】
――優勝おめでとうございました。今の気持ちから教えてください。
「ありがとうございます。めちゃくちゃうれしいです!」
――どんな大会と位置付けて臨みましたか?
「高校を卒業して大学に行かず選手として専念しようと思っていたところで、1つのけじめとして大事な大会だと思っていたので、優勝できてとてもよかったです」
――決勝の第1課題はアテンプトを重ねながらも完登し、その後の3課題はすべて一撃でした。流れ的にはいかがでしたか?
「今回はめちゃくちゃ勝ちを狙っていたこともあってすごく緊張してしまいました。最初のスラブでアテンプトが重なってしまい焦ったんですが、そこから自分を信じてすべて一撃できたので結果的によかったのかなと思います」
――第1課題を完登できたことは大きかったですか?
「そうですね。あれを登れないと優勝争いには食い込めないと思ってたので、意地で登りました」
――(第1課題は)6アテンプト目に完登しました。どこがよかったですか?
「緊張で足がガクブルしてたので、最後の乗り込むパートは乗り込む前にシャーって勢いよくというか、もうパッションで登った感じですね(笑)」
――昨年はW杯の5大会に出場されました。そこでの経験をどう感じていますか?
「だいぶ厳しい大会だと感じました。一度も準決勝に残れなかったですし。これからもっと練習するしかないなと思います」
――W杯を経験したことで、緊張したという話もありましたが、ユース世界選手権に臨む上で気持ちに変化はありましたか?
「W杯に一緒に出ていた人たちもいて、優勝候補にもなっていたのですごく燃えましたね。チャレンジャーとして臨めました」
――山田選手は自身の強みがどこにあると感じていますか?
「“動き系”が得意です。コーディネーションとかキャンパですね。最近はトレーニングをして傾斜の課題も得意になってきました」
――その強みはユース世界選手権で発揮できましたか?
「傾斜の課題が少なかったんです。壁の傾斜的に。コーディネーションとかの課題とかはあってやりやすかったんですけど、傾斜とかは、そういう課題自体があんまり出なかったというのもあって。でもその中でもいい動きができたと」
――今回、Enriching+賞を受賞されました。住友商事が協賛する、JMSCAのユースクライマーを応援する賞です。あらためて受賞した感想を教えてください。
「優勝に加えて、こんなに光栄な賞がもらえて、素直にとてもうれしいです」
副賞として、「THE NORTH FACE」の製品が贈られる(写真は一例のキャリーケース)
――副賞として「THE NORTH FACE」の製品から1つ選ぶことができます。実際に(副賞の1つである)キャリーケースを手に取ってみていかがですか?
「すごく高価なもので、興奮しています(笑)。普段から『THE NORTH FACE』が好きなんです」
――住友商事グループのコーポレートメッセージ「Enriching lives and the world」には未来に向かって「世界を、社会を、そして人々の暮らしを、より豊かにしていく」という意味が込められています。山田選手が思い描いている未来はありますか?
「高校生活を終えてからプロというハイリスクの道を選んだんですけど、すでに自分で考えて豊かな人生を歩めているなと思っています。これからもっと結果を出して自立できるようになりたいと思います」
――高校を卒業してプロクライマーの道を選んだきっかけは?
「去年のW杯シーズンでたくさんいろんな選手と戦って、仲間に楢崎智亜さんとか楢崎明智さんとか大先輩がいて、彼らの姿を見て僕もこんなふうになりたいと思いました」
――競技生活における目標はありますか?
「いま目指しているのはロサンゼルス五輪で、ボルダー種目で出場したいです。金メダルが目標です」
山田航大(やまだ・こうだい)
2007年2月6日生まれ。埼玉県山岳・スポーツクライミング協会所属。24年に17歳ながらボルダージャパンカップで9位に入り、日本代表に選出。W杯5戦に出場して経験を積むと、翌25年のユース世界選手権で初優勝を飾った(U19ボルダー)。
住友商事公式オウンドメディア「Enriching+」
https://www.sumitomocorp.com/ja/jp/enrich
各選手のインタビュー記事一覧はこちらから
CREDITS
インタビュー・文 編集部 / 写真 窪田亮
※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。