
野中生萌
準決敗退の野中生萌「この悔しさが『絶対に見てろよ』と燃える気持ちに繋がる」【クライミング世界選手権|女子ボルダー選手コメント】
韓国・ソウルで開催中のIFSCクライミング世界選手権は27日、女子のボルダー準決勝、決勝を行い、ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)が逆転優勝でリードに続く今大会2冠を達成した。日本勢は5人が準決勝に挑んだが、野中生萌の9位が最高で決勝には進めなかった。準決勝後の日本人選手と優勝したガンブレットに現地で取材した。
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■野中生萌(9位/準決勝敗退)
――準決勝を振り返ると?
「1課題目はゴール落ち、2課題目も最後の一手という感じで、世界選手権に準備してきて結果がこれか、という感じです。出し切れていない感じがあって、ふがいないですけど、これもある意味ボルダー種目の特徴でもあるので、この結果は受け入れていこうと思います」
――日本チーム最年長として、結果を見て感じることはありますか?
「年々スタイルが変わって、選手もどんどん大きくなってきていて、そういったところの順応で苦戦する部分はあると思います。私が引っ張っていきたいところではありますが、今回は残念な結果で悔しいです。でもこの悔しさが『絶対に見てろよ』と燃える気持ちに繋がります」
――次の目標、ステップは?
「大きな大会は今年はこれで最後で、(今年オープンさせたボルダーの)ジムも落ち着いてきているので、この冬はしっかりトレーニングして来年に臨みたいと思います」
■関川愛音(13位/準決勝敗退)
――1完登という結果について振り返ると?
「すごい緊張してしまって、最後の課題は苦手な動きだったかなと思います。悔しいです。最後の2課題は絶対、雰囲気的には登らないといけない感じだったので、3課題目は登れてよかったですが、4課題目は全然できる気がしなかったです」
――高校生で出場した世界選手権はいかがでしたか?
「今回は何も選考がかかっていない世界選手権だったので身軽というか気が重くなかったですが、周りの選手の仕上がりがすごくて、自分ももっと頑張りたいなと思います」
――次の目標は?
「まず来年もW杯を回れるように、BJC(ボルダージャパンカップ)に向けてしっかりと仕上げていきたいです。3月にアジア選手権があると聞きました。そこで次の世界選手権の出場も決まると思うので、優勝して、どんどん上位を取れたらと思います」
■中村真緒(15位/準決勝敗退)
――今の気持ちを教えてください。
「ふがいないですね」
――課題の印象は?
「難しかったですけど、これくらいは出るだろうなとわかっていましたし、対応できなかったです。まだまだ技術もメンタルも全然、この世界選手権という舞台には足りていなかったので、またイチから鍛え直したいと思います」
――大会前には「笑顔を見せたい」「楽しい登りを見せたい」と話していました。
「(自分らしい登りは)正直できなかったです。1課題も2課題目も完登がそんなに出ていないことはわかっていたので、やっぱり3課題目は決めたかったです」
――4課題目で完登した時の気持ちは?
「あれは見た瞬間にできるとわかっていたので、一撃できなかったのが自分の弱さだなと思いますが、あの時点で敗退はわかっていたので、ちょっと心は折れていましたがみんなの応援で最後に決められてよかったなと思います。でも、やっぱり(各課題の競技時間)5分って短いですね。もっといろいろとできたんじゃないかと思います。もっと頑張りたいです」
■伊藤ふたば(17位/準決勝敗退)
――今の気持ちを教えてください。
「W杯後半戦に出られなかった分、かなりトレーニングして準備してきて、かなり強くなってきた実感はあったんですけど、それを発揮できずに悔しいです」
――予選は首位通過。調子は良さそうだと感じましたが?
「体の調子はいいなと感じていて、予選の課題は強度が低い分、しっかり登れるかというところだと思うので、そういった部分は良かったんですけど、準決勝になると強度も上がったり、シークエンスも難しかったり、そういった課題にまだ対応できていないのかなと思います」
――準決勝の課題を振り返ると?
「1、2課題目からかなり強度の高い課題が続いて、体も疲れた状態で3、4課題目に差し掛かっていたので、チャンスはありましたけど決め切れなかった部分は悔しいなと思います」
――来年はどういったシーズンにしたいですか?
「今シーズンはボルダー1本に転向した準備期間でボルダーをしっかりやり始めたばかりなので、来年はしっかり成績を残したいです。来年に向けて何が必要なのかを考えてトレーニングしていけたらと思います」
■葛生真白(23位/準決勝敗退)
――初出場の世界選手権はどんな大会になりましたか?
「何か難しかったです。みんなが登れているような課題も登れず、どうしていいかもわからないです」
――初出場ながら世界の準決勝に到達できたことはプラスに捉えてもいいのでは?
「いやー、ダメです」
――来シーズン以降、この経験をどう生かしてどういう選手になっていきたいですか?
「まずはBJCで上位に入らないとW杯に出られません。そこで上位に入れるようにオフシーズンにトレーニングして苦手をなくさないと、準決勝に進めてもいつもその先がダメなので。その先に行けるようにオフシーズン頑張りたいと思います」
■ヤンヤ・ガンブレット(優勝)
「何と言えばいいか……。これが私にとって5度目の世界選手権出場で、年も取りましたけど、今日は本当に素晴らしい登りができたと思います。最後の4課題目まで緊迫した戦いになりました。もちろん状況は把握していましたけど、心は穏やかで、その瞬間に集中していました。クライミングを楽しめましたし、会場の雰囲気も最高でした。(2位の)オリアーヌ(・ベルトン)の登りが良かったので、最高のパフォーマンスで応えないといけないと思い、本当に心から決勝を楽しむことができました。また来年会えることを楽しみにしています」
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取材・文 編集部 / 写真 © Nakajima/Timmerman/IFSC
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