
女子世界新で金のミロスラフ「やるべきことに集中するだけだった」【クライミング世界選手権|女子スピード選手コメント】
韓国・ソウルで開催中のIFSCクライミング世界選手権は24日、女子スピード予選・決勝を行い、パリ五輪金メダリストのアレクサンドラ・ミロスラフ(ポーランド)がビッグファイナルで6秒03の女子世界新記録を樹立し、3度目の世界女王に輝いた。日本勢は3人が出場し、小屋松恋が決勝トーナメントに進出して16位だった。ミロスラフと日本人選手に現地で取材した。
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■アレクサンドラ・ミロスラフ(優勝/6秒03 女子世界新記録樹立)
「3度目の世界選手権タイトル獲得になりましたが、今大会はパリ五輪で記録した世界記録を塗り替えることができたので特別な思いがあります。決勝はタフでしたけど、ゾーンに入った感じで最後のラウンドで世界新記録を出せてうれしいです。正直、世界新記録を樹立できるとは思っていませんでした。自分自身のやるべきことに集中するだけと思って挑んでいました。でも、世界新記録を残すための準備はしっかりしてきたつもりです。(今後の目標、5秒台への挑戦について)来年はコンチネンタルチャンピオンシップがあるので、そこで結果を残すことが来シーズンの目標です。5秒台は大きなチャレンジになると思いますが、今はあまり考えたくないです。まずは休みを取りたい!」
■小屋松恋(16位/決勝トーナメント進出)
「(予選について)タイムをもっと出せたと思うところもありますが、日本タイ記録を出せてよかったです。日本記録は狙っていました。今後は単独の日本新記録を狙っていきたいと思います。(決勝について)毎回決勝で勝ち切れない、全力で登り切れないことが課題になっていたのでノーミスで登り切りたかったんですけど、登り切れずとても悔しいです。(対戦相手が世界記録保持者のミロスラフだったが?)結構意識しました。最高のパフォーマンスができるように頑張ろうと思ったんですけど、焦ったこともあってミスが増えてしまいました。最後まで登り切る力を付けたいです。来年に向けて改善したいと思います。初出場の世界選手権はW杯とは規模が違い、緊張するかなと思いましたが、予選で自分の力を最大限発揮できてチャレンジできた大会になりました」
■林かりん(25位/予選敗退)
「ケガ明けで、出場できたことがすごくうれしかったんですけど、結果は悔しいです。8月にハムストリングの肉離れで全治2カ月と診断され、世界選手権に間に合わない可能性がありました。今月頭に完治し、数少ない練習でケガ明けのベストが出せました。今までこういったケガをしたことがなかったので、国際大会に来られること、ケガなく登れることがすごく楽しかったです。この2週間で大会に挑めたことで、より成長できたなと思います。来年の1月まで、1カ月に1回くらい大会があるので、出場してタイムを縮めていき、6秒台を狙いたいです」
■河上史佳(27位/予選敗退)
「自己ベストを狙っていましたが、やはり世界選手権に合わせるのは難しいと感じました。他の選手もここに合わせに来ているのでピリピリ感があり、そういう環境下で自分もベストを出さないといけない感じもあって、体感ではベストが出るかなと思っていましたがうまくかみ合わず0.1秒くらい届かなかったです。来年3月のジャパンカップまでに足りなかった部分などを分析して半年で仕上げていきたいと思います。日本記録更新が1つの目標で、ゆくゆくは世界で一番速い選手になりたいです。日本人女子で初の6秒台も出したいです」
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取材・文 編集部 / 写真 © Nakajima/Timmerman/IFSC
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