
男子表彰台に上がった(左から)ベルトン、吉田、ロペス
吉田智音が悲願のW杯初優勝 今季初参戦の森秋彩は“幻の完登”で女子3位【リードW杯2025 第2戦バリ大会】
クライミングW杯のリード第2戦決勝がインドネシアのバリ島で4日に行われた。日本勢は吉田智音が悲願のW杯初優勝に輝き、森秋彩が女子3位に入った。
2日に行われた予選は、出場した日本男女12人全員が24位以内に入り準決勝へ進出。男子は安楽宙斗と吉田が首位タイ、女子は今季初参戦となった森が2本のルートをいずれも完登して首位タイにつけた。
インドネシアのバリ島で初めてクライミングW杯が開かれた
4日の準決勝では吉田が再び首位に。第1戦で自身初の銀メダルを獲得した鈴木音生と小俣史温も男子の決勝に駒を進めた。安楽は16位に終わり、第1戦からの連勝はならなかった。女子は森が3位で決勝へ。1分以上の時間を残してトップホールド直下にたどり着くも、距離のある一手に苦戦して完登を逃した。
男子決勝は1番手のマックス・ベルトン(フランス)が高度41の好成績をマーク。その後、高度30以下にとどまる選手が大半となった中で、最終8番手の吉田が競技を開始。吉田は高い持久力をベースに足技を織り交ぜながら中盤を突破する。観客に声援を求める煽りを見せながら、終盤でも衰えない推進力を発揮。最後は右足の置きどころを誤ってしまうが、記録はトップの高度42。優勝がわかると、両手の拳を握り歓喜の咆哮を上げた。2021年からW杯に出場し、バリ大会前の時点で決勝に10度進出、2位と3位を1度ずつ経験していた20歳が、予選から全ラウンド1位に立って念願の金メダルを手にした。
吉田が悲願のW杯初優勝を決めた
女子決勝を登る森
女子決勝は5番手のラウラ・ロゴラ(イタリア)が42+で暫定首位に立った直後に森が登場。途中でクリップを忘れかけたり、体勢が崩れたりする場面もあったが、立て直してゴールに近づいていく。しかし完登まで残り4手でトーンダウン。準決勝と同じく、距離出しがうまくいかない。42手目の攻略に約30秒をかけてしまい、そこから急いでトップホールドに達するも最後のクリップを前にタイムオーバー。完登は幻に終わった。
42手目に時間を要してしまった
7番手のソ・チェヒョン(韓国)、8番手のエリン・マクニース(英国)が完登したことで、森は3位に。完登していたとしても、準決勝の順位により優勝は逃す結果となった。優勝はマクニースで、予選からの全課題を完登して第1戦に続く優勝を飾った。
<決勝リザルト>
[男子]
1位:吉田 智音(JPN)/42
2位:マックス・ベルトン(FRA)/41
3位:アルベルト・ヒネス・ロペス(ESP)/39+
4位:ヤニック・フローエ(GER)/30+
5位:イ・ドヒョン(KOR)/30
6位︰鈴木 音生(JPN)/29+
7位:小俣 史温(JPN)/16+
8位:ムハンマド・リズキ・シャフラフリ・シマトゥパン(INA)/12
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10位:本間 大晴(JPN)※準決勝進出
11位︰清水 裕登(JPN)※準決勝進出
16位:安楽 宙斗(JPN)※準決勝進出
[女子]
1位:エリン・マクニース(GBR)/TOP
2位:ソ・チェヒョン(KOR)/TOP
3位:森 秋彩(JPN)/45
4位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/42+
5位:オセアニア・マッケンジー(AUS)/39+
6位︰フロラ・オブラッサー(AUT)/37+
7位︰ミア・クランプル(SLO)/34+
8位︰ローサ・レカー(SLO)/31+
―――――
10位:小武 芽生(JPN)※準決勝進出
14位:小田 菜摘(JPN)※準決勝進出
17位:中川 瑠(JPN)※準決勝進出
19位:谷井 菜月(JPN)※準決勝進出
21位:葛生 真白(JPN)※準決勝進出
※左から順位、氏名、所属国、決勝成績(高度)
※同高度の場合は前ラウンド順位の高い選手が上位
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文 編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima/IFSC
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