男子表彰台に上がった(左から)大政、ワトソン、キロマル

大政涼が日本人初の銀メダル! ワトソンがこの日2度目の世界新“4秒64”で優勝【スピードW杯2025 第2戦バリ大会】

 インドネシアのバリ島で開催中のクライミングW杯は3日、スピード第2戦を行い、大政涼が日本勢で初となるビッグファイナルに進出し、男子銀メダルを獲得した。男子のサミュエル・ワトソン(米国)は世界記録を2度も更新して優勝した。

 日本勢は第1戦に出場した大政、安川潤、林かりんに加え、今年のジャパンカップ男子王者である藤野柊斗が参戦した。予選は藤野が5秒22で10位、大政が5秒24で12位に入り、上位16人による決勝トーナメントに進出した。

決勝トーナメント初戦に勝利した藤野

 トーナメントの初戦で藤野は5秒08、大政は5秒14と予選からタイムを縮め、対戦相手にいずれも0秒04差をつけて勝利する。ベスト4を懸けた一戦で藤野は世界記録保持者のワトソンと対峙。5秒17を計測するも、コンスタントに4秒台を叩き出すワトソンには及ばなかった。大政はW杯で自己新となる4秒90を計測して中国勢に勝利した。

W杯で自己新の4秒90をマークした大政

 続いて大政は今シーズン好調のキロマル・カティビンと対決。地元インドネシアの声援を受けるカティビンだったが途中でミスを犯し、大政に軍配が上がった。一方、もう一つのレースではワトソンが4秒67で自らの世界記録4秒74を更新した。

大政が日本人初のビッグファイナルに進出した

 W杯で日本人初のビッグファイナルに進出し、銀メダル以上を確定させた大政はワトソンとの最終レースに臨んだ。しかし、フライングで登り切ることなく敗れてしまった。優勝を決めたワトソンは1人で仕切り直しの試技へ。スタート直後から加速がついて全速力で駆け登ると、タイムは4秒64。この日2度目の世界記録更新となった。女子はパリ五輪金メダリストのアレクサンドラ・ミロスラフ(ポーランド)が優勝した。

世界新記録で優勝したワトソン

▼大政涼コメント(JMSCA提供)
「国際大会で自己ベストを更新し、過去最高順位を記録することができ、大きな収穫のある大会となりました。登りの安定性が上がってきた実感がありますが、今回対戦したキロマル選手や、優勝したワトソン選手とのタイムには大きな差があり、自分の課題も明確になりました。今年の目標は世界選手権での優勝なので、この目標に向けて、より強く、より速い選手になれるよう、努力していきます! 引続き、応援のほど、よろしくお願いします!」(原文ママ)

<リザルト>

[男子]
1位:サミュエル・ワトソン(USA)/4秒64 ※世界新
2位:大政 涼(JPN)/FS
3位:キロマル・カティビン(INA)/4秒81
4位:ラハジャティ・ナルサムサ(INA)/6秒64
――――――
15位:藤野 柊斗(JPN)/5秒17 ※決勝トーナメント進出
60位︰安川 潤(JPN)/6秒75

[女子]
1位:アレクサンドラ・ミロスラフ(POL)/6秒37
2位:ジョウ・ヤーフェイ(CHN)/8秒12
3位:アディ・アシ・カデク(INA)/7秒27
4位:チョン・ジミン(KOR)/9秒00
――――――
23位:林 かりん(JPN)/7秒57

※左から順位、氏名、所属国、記録
※記録は、1・2位はビッグファイナル(優勝決定戦)、3・4位はスモールファイナル(3位決定戦)でのタイム
※藤野柊斗の記録は決勝トーナメント最終レースでのタイム

CREDITS

編集部 / 写真 © Kazushige Nakajima/IFSC

※当サイト内の記事・テキスト・写真・画像等の無断転載・無断使用を禁じます。

back to top