表彰台=(左から)ヤコブ・シューベルト、楢崎智亜、ヤニック・フローエ

楢崎智亜が王座奪還!/IFSCクライミング世界選手権2019八王子【ボルダリング男子決勝】

 13日夜、IFSCクライミング世界選手権2019八王子(エスフォルタアリーナ八王子)のボルダリング男子決勝が行われ、楢崎智亜が自身2度目の世界選手権優勝を成し遂げた。

 楢崎智亜が、2位以下に大きな差をつけて2大会ぶりの栄冠に輝いた。

 準決勝を2位通過し、決勝5番手での登場となった楢崎。第1課題は得意の連続した動きを繰り出すダイナミックなコーディネーション系で、それまでの4選手全員がゾーン止まりという状況だった。楢崎は4トライ目でTOPに手をかけるところまで到達すると、次のトライではそれを離さずに攻略。一方、予選、準決勝ともに首位での通過となっていたアダム・オンドラ(チェコ)はゾーンなしに終わり、頭を抱えて悔しがった。

 完登者が出なかった第2課題を経て、緩傾斜に設けられた第3課題はいかに掴みどころの少ない巨大スローパーに飛び乗るかがカギとなった。それまでゾーンに到達したのが藤井快のみという難関だったが、楢崎も同様にトライを重ねてしまう。しかし6トライ目に難所を乗り切るとそのまま完登。次のオンドラがゾーンなしに終わったことで、第3課題を終えて楢崎が2完登、そのほかの5選手は0完登。残すは1課題のため、この時点で楢崎の優勝が決定した。

 最後の課題もなかなか完登者が現れず、楢崎も完登はならなかったが、競技後は客席からの声援に大きく手を上げて応えた。

 最終的に、決勝で完登したのは楢崎のみ。2位にはヤコブ・シューベルト(オーストリア)、3位にはヤニック・フローエ(ドイツ)が入り、4位が藤井、5位が土肥圭太。最大のライバルと目されていたオンドラはまさかの0完登0ゾーンで決勝最下位に終わった。

 国内初開催となった世界選手権でエースが自国に今大会1つ目の金メダルをもたらし、東京2020オリンピックの出場枠獲得に向けて大きな弾みをつけた。また、この種目は3大会連続での日本人男子優勝となった。

声援に手を上げて応える楢崎智亜。ボルダリングジャパンカップなども含め国内外を問わず日本でのボルダリング公式大会制覇はこれが初。

藤井快は4位で惜しくも表彰台に届かず。

初出場の世界選手権で決勝にたどり着いた土肥圭太は5位。

アダム・オンドラはまさかの6位。第1課題をゾーンなしに終わったことで調子が崩れたか。

<決勝リザルト>

1位:楢崎 智亜/2t4z 12 20
2位:ヤコブ・シューベルト(AUT)/0t3z 0 10
3位:ヤニック・フローエ(GER)/0t3z 0 13
4位:藤井 快/0t3z 0 18
5位:土肥 圭太/0t2z 0 9
6位:アダム・オンドラ(CZE)/0t0z 0 0

※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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