世界最高峰の戦いが開幕。野口啓代が首位スタート/IFSCクライミング世界選手権2019八王子【ボルダリング女子予選】

 11日午前、IFSCクライミング世界選手権2019八王子大会がエスフォルタアリーナ八王子にて開幕。ボルダリング女子予選が行われ、ヤンヤ・ガンブレット、野口啓代ら有力選手が準決勝進出を決めた。

 初の日本開催となった会場を、まずは今シーズンのW杯を全戦優勝で制したガンブレットが魅了する。第1グループの先頭で登場した女王は、その実力を見せつけるかのように悠々と第1課題を一撃すると、それ以降一度もミスすることなく予選を終える。毎課題登るごとに歓声があがり、5課題すべてを1トライでまとめて文句なしの首位通過となった。

ボルダリング予選が行われたエスフォルタアリーナ八王子のサブアリーナ。

全完登で会場を沸かせたヤンヤ・ガンブレット。

 一方、そのガンブレットと隣り合わせで登ったのが第2グループ先頭の野口。これが最後の世界選手権だと公言している野口は、バランシーな第1課題で3トライを要するも完登を決めると、その後はすべて2トライ以内に収める。最終的にはこのグループ唯一の全完登となり、貫録の1位で準決勝に駒を進めた。

 この他、日本の倉菜々子、伊藤ふたばが初の世界選手権で躍動する。倉は粘りのパフォーマンスにより全完登を果たして第1グループ3位、伊藤は3連続の一撃を披露するなど4完登で野口に次ぐ第2グループ2位となった。

3連続一撃で好調ぶりを示した伊藤ふたば。

倉菜々子も初の世界選手権で躍動。全完登で3位に入った。

 野口、倉、伊藤に加え、日本女子で予選突破を決めたのは野中生萌。第1グループの第1課題をゾーンなしで終わるなど準決勝進出が一時は危ぶまれたが、8位での通過となった。

 残念ながら森秋彩と小武芽生は完登数が足らずに敗退。前回大会ファイナリストのジェシカ・ピルツ(オーストリア)も予選落ちとなった。

 準決勝は明日の男子予選を挟み、明後日13日(火)の9時から行われる。

<女子予選>

第1グループ
1位:ヤンヤ・ガンブレット(SLO)/5t5z 5 5
2位:ペトラ・クリングラー(SUI)/5t5z 8 7
3位:倉 菜々子/5t5z 12 10
4位:ソ・チェヒョン(KOR)/5t5z 12 12
5位:キーラ・コンディー(USA)/4t5z 5 8
6位:アランナ・イップ(CAN)/4t5z 8 8
7位:イエブゲニヤ・カズベコワ(UKR)/4t5z 14 14
8位:ショウナ・コクシー(GBR)/3t5z 6 9
9位:アン・ソフィー・コレル(SUI)/3t5z 8 19
10位:ウルスカ・レプイシク(SLO)/3t5z 9 9
―――――
16位:森 秋彩
20位:小武 芽生

第2グループ
1位:野口 啓代/5t5z 9 9
2位:伊藤 ふたば/4t5z 5 6
3位:ファニー・ジベール(FRA)/4t5z 7 8
4位:ルチカ・ラコヴェッチ(SLO)/4t5z 12 16
5位:ラウラ・ロゴラ(ITA)/4t4z 15 12
6位:ソフィア・ヨコヤマ(SUI)/4t4z 21 15
7位:ルース・ドゥアディ(FRA)/3t4z 4 5
8位:野中 生萌/3t4z 4 8
9位:ツァン・ユートン(CHN)/3t4z 5 6
10位:ミア・クランプル(SLO)/3t4z 5 9

※各グループ上位10名が準決勝進出
※左から氏名、所属国、成績
※成績は左から完登数、ゾーン獲得数、完登に要した合計アテンプト数、ゾーン獲得に要した合計アテンプト数

リザルト詳細は国際スポーツクライミング連盟/大会ページから

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 窪田亮

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