ボルダリングW杯2018の最終戦・ミュンヘン大会に向けて意気込みを話した野口啓代と楢崎智亜

野口啓代「とても大切な大会になる」。ボルダリングW杯2018最終戦へ向け、日本代表が出発

 モスクワで開催中の世界ユース選手権2018で次世代を担う日本のクライマーたちが活躍をみせるなか、世界の最前線で戦う日本代表選手たちがボルダリングW杯2018最終戦の地であるドイツ・ミュンヘンへと出発した。全7戦で争われる年間王者争いも、いよいよクライマックスを迎える。

 今シーズン、日本は史上初となる年間での男女アベック優勝を狙える位置につける。既に日本勢の優勝が確定している女子では、500ポイントで首位の野中生萌を野口啓代が5ポイント差で追う構図。305ポイントで3位のファニー・ジベール(フランス)が優勝したとしても、2位の野口に遠く及ばないため、2015年の野口以来となる日本人年間女王の座は揺るがない。

 W杯史上最多となる通算22勝の記録もかかる野口は「とても大切な大会になると思います。今の自分の全力を出し切って、1本1本後悔しないトライをしていきたい」と意気込む。一方の野中は「最終戦ということや、(野口と5ポイント差という)面白い展開になっていることでとてもワクワクしています。この状況をプレッシャーだったりストレスには感じていないですね」とミュンヘンでの戦いを待ちわびている様子だった。

 男子年間優勝のゆくえは、1位のイェルネイ・クルーダー(スロベニア)と、楢崎智亜の2人に絞られている。その差はわずかに4ポイントだが、楢崎は「クルーダーはオールラウンダータイプで、そこまで突出して強いイメージはない。自分のパフォーマンスをしっかりと出せれば勝てると思う」と自信を覗かせた。日本男女の年間優勝がかかる2018年のボルダリングW杯最終戦、ミュンヘン大会は現地時間8月17日8時(=日本時間15時)からの男子予選で幕を開ける。

野口啓代コメント
「W杯ベイル大会、コンバインドジャパンカップから(ボルダリングコンペの)間が空いてしまっていましたが、先日出場した『Master of BLoC』でコンペの感覚を取り戻せましたし、全部一撃だったので調子は良いと思います。ミュンヘンはヤンヤ(・ガンブレット)も(アレックス・)プッチョも、今シーズンの優勝者が全員出ると聞いている。最もレベルの高い戦いになると思うので、とても楽しみにしています」

楢崎智亜コメント
「男子は今シーズン、まだ複数回優勝者がいないこともあるので、今年2度目の優勝を狙っていきたいです。(クルーダーとのポイント差は意識している?)それは特に考えていないですね。ミュンヘンは思い切りの良さが大切な課題が多くて、そこが自分の登りとかなりマッチしている。今回も思い切って登っていきたいですね」

野中生萌コメント
「ミュンヘンは会場がすごく盛り上がることもあって、(シーズンのなかで)一番楽しみにしている選手も多いと思うんです。私もやっと来たなっていう気持ちで、すごく楽しみです。今までは調子が悪いって言いながら優勝していることが多かったので、調子が良いと思える今が逆に怖いですね(笑)」

藤井快コメント
「今年の最終戦なので、少しでも爪痕を残したい。中国ラウンド以降は決勝に残ることができていないので、ここでしっかりと結果を残したいですね。目標は、まずは決勝に残ることです」

 

CREDITS

取材・文・写真 編集部

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