FEATURE 09

女性クライマーのためのトレーニング講座

奥深きチバトレで目指せ脱ビギナー


指南役は一流選手たちも師事する千葉トレーナー。“脱ビギナー”というオーダーに対し、ポジショニング、重心移動、手の力を使わない動きをコンセプトに、効果的な練習法を教えてくれました。今回はCLIMBERS#003より一部抜粋したものをご紹介。モデルは2016年のリード日本代表であり、実際にチバトレを受講している廣重幸紀選手に努めていただいた。

※本記事の内容は2017年3月発行『CLIMBERS #003』掲載当時のものです。
 
 

上下の重心移動の基本練習


1.両足をフットスタンスに正確にセットし目標のホールドとの距離を目で測る。腕の力を抜き重心を真下に落とす


2.両足で立ち上がるのと同時に両手でホールドを押す


3.壁におへそを近づけてから両手でホールドを正確にキャッチする

 
POINT!
腕だけ、足だけと部分を意識するのではなく体全体の動きをイメージ。全身をガチガチに固めずリラックスして動く。慣れてきたら下→上、上→下と交互に3往復ほど繰り返し。両手・両足ができたら片手・片足に挑戦
 
 
 

左右差解消に効果的な片足クライミングに挑戦


1.片足だけをスタンスに乗せた状態で開始


2.引き付けと同時にスタンスに乗っていない足でバランスを取りながらホールドに手を伸ばす。写真は右足を内側に流している


3.引き付けと同時に右足を外側に開きバランスを取りながら左手でホールドをキャッチ

 
POINT!
反対足はスメアリングも禁止。スタンスに乗っていない側の足を上手に動かし重心をコントロールしよう。苦手な足を重点的に練習。登れたら軸足を変えて同じ課題を。腕の力を抜き、姿勢を正確に取って登れるようになるまで反復する
 
 
 

重心移動が上手になるアニマルストレッチ


1.両手で床を押し、お尻をできるだけ後方に引く


2.足で地面を押しながら片足を一歩大きく前に踏み出す。同時に上体を踏み出した足の方に軽くひねる

 
POINT!
1.肘に負担をかけないよう注意。肩甲骨から腕を動かすことを意識し地面を押す。足首と膝はリラックスし股関節を動かしていることを意識しよう。
2.膝を伸ばすことより重心を大きく前方に動かすことが重要。足はかかとから接地して足の裏全体で地面を踏む。この時、膝とつま先を同じ方向に向けることが望ましい。徐々に動きを大きくしながら20秒間ほど繰り返そう
 
 
 
千葉トレーナーから一言!
クライミングは人を強くするスポーツ。登れなかった時、成功したければ精神的、肉体的、思考的に努力しますよね。その過程で人は強くなります。真剣に取り組んだ分だけ人生が豊かになると言っても過言ではないと思います。「これは苦手だからできない」ではなく「どうやったら私にもできるだろう」と思えるようになれば、自分の可能性は無限に広がります。

CREDITS

取材・文 編集部 / 写真 森口鉄郎 / 撮影協力 B‒PUMP 荻窪店

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PROFILE

千葉啓史 (ちば・ひろし)

1982年生まれ。2011年よりフリーランスのパフォーマンスクリエイターとして活動。野口啓代、楢崎智亜をはじめトップクライマー、プロアスリートの身体操作指導を多数担当する。全国各地で年間100本以上「チバトレ講習会」を開催し、受講者は毎年2000人以上。

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